vol.56 人生100年時代を生きるための著書「LIFE SHIFT」と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

今、日本のみならず世界の国々で長寿化が進展しています。特に日本は、WHO(世界保健機関)が2018年に発表した統計によると長寿世界1位(男女の平均余命84.2歳)です。
男女別では厚労省の「2018年簡易生命表」によると過去最高を更新して男性81.09歳、女性87.26歳と人生100年時代が迫っています。また、公益財団法人長寿科学振興財団によると人口に占める65歳以上の比率(高齢化率)が27.3%で世界1位という長寿国です。

人生が100年になると仕事を辞めてからもまだ30年以上の人生が続き、退職後は静かに余生を過ごして最期を迎える時代ではなくなることを意味します。退職後にはポジティブに生き抜くパワーがないと長くてつらい孤独な人生が30年以上も続きます。
まして次に紹介するように必ずしも長寿化の進展は喜ばしいことでない事情も増大してきています。このような状況下ではネガティブな考え方に傾いて、ますます人生が暗く寂しくなります。

そこで、人生100年時代を迎えるにあたって長い老後を前向きに生き抜くためのヒントとして、リンダ・グラットンの著書でベストセラー書籍の「LIFE SHIFT」を紹介し、潜在意識の重要性について解説します。

 

■高齢化が必ずしも喜ばしいことでなくなりつつある理由

かつては寿命が延びて長寿になることは喜ばしいこととして歓迎されました。しかし、近年は少し事情が変わり老後の不安要因とし以下の問題が増大・深刻化し、決して長寿が歓迎される状況ではなくなりつつあります。

・老後資金として不十分な公的年金と長寿化によって生じる老後資金のますますの不足
・長寿化による健康不安や少子高齢化による老老介護不安
・優遇されていた高齢者の医療費負担率のアップ
・まだ継続すると考えられる低金利政策
・継続する世界・日本経済の低迷
・終身雇用・年功序列賃金の崩壊や政府の働き方改革による給与収入の抑制につながる政策の推進

これらのさまざまな不安要因が老後の生活資金、健康、介護などに大きな影を落とし、決して長寿が幸せなこととはいえなくなってきています。健康や金銭的な問題に配慮することも重要ですが、同等以上に、長くなる老後を生き抜くための知恵と前向きに生き抜くポジティブな思考回路が必要です。

 

■高齢化時代の生き方の知恵を書籍「LIFE SHIFT」から学ぶ

「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」には、100年時代の人生戦略という副題がついています。著者のリンダ・グラットンは、「LIFE SHIFT」のなかで、今までは一般的に人生は3ステージであったが、今後はマルチステージの人生になると述べています。

今までの3ステージとは、20歳前後までの「学ぶ時期」、20歳前後から65歳前後までの「会社勤めの時期」、そしてそれ以降の「引退後の時期」の3つです。それが、人生100年時代を有効に生きるには、3ステージに加えて「エクスプローラーの時期」「インディペンデント・プロデューサーの時期」および「ポートフォリオ・ワーカーの時期」の3つが加わった6ステージのマルチステージが必要といいます。

「エクスプローラー」のステージとは、「旅をしたり、経験を積んだりして見聞を広める時期」。「インディペンデント・プロデューサー」のステージとは、「仕事を辞めて自分で職を生み出し働く時期」。「ポートフォリオ・ワーカー」のステージとは、「働きながら仕事以外の能力を同時に磨く時期」のことです。
確かに今でも仕事一筋で仕事以外の付き合いがない、趣味もない仕事人間の人は退職後に生きがいを失って認知症にもなりやすいといわれています。生き生きとした老後を長く過ごすためには、早い段階からさまざまな仕事以外の経験や趣味や人脈などをもつ必要があります。

そこで、リンダ・グラットンは、マルチステージの人生をうまく生きるには金銭資産以外に、以下の3つの無形資産を作ることだといいます。

・生産性資産(スキルや知識などさまざまな能力のこと)
・活力資産(健康であることや幸福と感じる心のあり方のこと)
・変身資産(自分についてよく知っていること、多様な人的ネットワークをもっていること、新しい経験に対してポジティブに取り組めることなど)

「LIFE SHIFT」に書かれている内容は常識的なことですが、老後を金銭面だけで乗り切ろうとしたり、健康だけに留意したりしていれば問題ないと考えていると見逃してしまう内容です。金銭以外の3つの資産を十分に蓄えられないと人生100年は、むなしい期間のみが長く続くだけになってしまう可能性が高まります。「LIFE SHIFT」の著者の声に耳を傾ける必要があります。

 

■ポジティブに生きるパワーを生み出す潜在意識

3つの資産を蓄えるために必要なことは、前向きで生き生きとした人生を送るためのポジティブな思考ができることです。これがなければ3つの資産は作れません。夢や希望を潜在意識に強くもつことで能力を身につける意欲は湧き上がってきます。健康になる努力も人脈作りもネガティブで内向的であれば不可能です。人生100年時代には、潜在意識を活用することの重要性が今よりもさらに大きくなります。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

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