vol.138 車いすテニス選手の国枝慎吾選手を世界最高の選手へと導いた潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

あまりスポーツに興味がないと国枝慎吾選手の名前を知らないかもしれません。しかし、国枝選手は車いすテニスのプロ選手でグランドスラム大会の車いす部門で男子として歴代最多のシングルス26回、ダブルス21回、計47回の優勝という偉大な記録の持ち主です。 また、昨年のパラリンピック東京大会を含め、過去にシングルスで3回、ダブルスで1回の金メダルも獲得しています。その他にも107連勝というシングルスの試合でのギネスにも認められている連勝記録も持っています。これほどの傑出した優勝記録を持つ選手はすべてのスポーツを見渡してもそれほど多くありません。 そのため障害を持った選手でなければ、国民栄誉賞を授与されても決しておかしくないレベルの選手です。

 

では、何が国枝選手をして歴代でも世界最高の車いすテニス選手たらしめたのでしょうか? その答えは国枝選手が残している多くの名言から潜在意識を最大限に活用しているからだとわかります。例えば、ポジティブな言葉で自分自身に語りかけるアファメーションを行えば、ネガティブな発想しかできない人に対して圧倒的に自身の能力を高め、周囲のサポートも得られて成功の可能性を高められます。国枝選手の名言には多くのアファメーションに関するものがあります。 ・毎日の練習は自分を支えてくれる糧ですね。あれだけ頑張って練習してきたじゃないか!絶対に勝つ。 ・壁にぶち当たったり、一進一退を繰り返したりしたときも『絶対に乗り越えられる!』と自分を信じれば、いい方向に行けると思うんです。気持ちのうえでダメだと思ってしまうと結果にも影響するので、いい方向に進んでいくためにも、〈プラスのイメージ〉を積み重ねることを大切にしている。 ・車いすになったからと落ち込んだり、自分の将来を悲観したりすることはなかった。両親に不幸を嘆いた記憶はない(国枝選手は9歳のとき病気で下半身不随になる)。 ・連続ポイントを取られると不安になるが、『オレは最強だ!』の文字を見ると『自信を持っている自分』になれる。 集団スポーツ・個人スポーツを問わず、スポーツをしていると負けるのではと思うときが必ずあります。このときに負けを信じる場合と勝ちを信じる場合では、スポーツにかぎらず結果に大きな差が生まれます。なぜなら負けないという思いは自分を信じることにつながるからです。自分を信じられるとスポーツでは萎縮しないで済み、能力を最大限に発揮できます。

 

また、実力差があっても良い意味で開き直れて、実力以上の能力を発揮できて勝負に勝つ可能性が高まります。なお、自分を信じられることは、「他人に振り回されないで集中できる」「自己を客観視できる」「冷静になれる」「自己肯定感・効力感が高まる」など、ビジネスシーンでも良い効果が得られます。自分を信じられないと「右往左往」「付和雷同」して周囲の信用を得られなくなります。 国枝選手はアファメーションだけでなく、一方で「いつも負けを覚悟している。そうでないと練習にも身が入らないし、もっと(自分自身を)伸ばそうと思えないから」と言っています。

 

一流選手同士が戦う場では、ただ単に「強い」「負けない」と思い込むことだけで、常に勝てるほど甘くはありません。そのため「(勝負を)詰め切れないのは、まだやらなきゃいけないことがあるということ」と、自分自身に言い聞かせ、自信過剰にならずに自分を客観視して足りない部分をさらに補うための努力の糧にしています。 そして、「一球に全力をかけてプレイすることが勝利への近道」と言い、「常にチャレンジを意識し、決断、行動してきたし、これからもしていく」と言っています。運動能力が同一であっても、潜在意識を知って活用する選手としない選手では能力以上の大きな差が付きます。 ビジネスでは勝敗や優劣の決着がつくには長い時間がかかることが多く、潜在意識を意識しなくてもとりあえずは大きな問題になりません。しかし、それだけに日々の心構えとして潜在意識を有効に生かさないと、人生で成功することはスポーツでの勝つことよりも困難なものになります。ビジネスでは潜在意識の重要性はスポーツ以上と言えるでしょう。

人生を好転させる潜在意識の活用法

よく読まれている記事