vol.137佐々木朗希投手の「完全試合+奪三振記録」の同時達成に果たした潜在意識の役割【人生を好転させる潜在意識の活用法】

千葉ロッテの佐々木朗希投手(20歳)が、4月10日の対オリックス戦で日本プロ野球史に残る衝撃的な大記録を1試合で一気に3つ達成しました。それは昭和の怪物・江川卓選手、平成の怪物・松坂大輔選手、そして昨年のメジャーリーグMVPに輝いた大谷翔平選手でも成し遂げていない桁違いの以下の記録です。

 

(1)28年ぶりの日本プロ野球史上16人目の完全試合

(2)64年ぶりに1試合9連続奪三振を大幅に更新する日本プロ野球新記録の13者連続奪三振

(3)27年ぶりの日本プロ野球タイ記録となる1試合19奪三振

 

その他にも完全試合の「史上最年少(20歳5カ月)・史上最速(通算14試合目)での達成」、「史上初の初完投・初完封での達成」と記録ずくめです。将棋界の歴史をことごとく塗り替えている藤井聡太五冠のようです。 これら異次元の大記録であっても佐々木投手くらいの才能があって、その才能を100%発揮できれば簡単に達成できると思えるかもしれません。しかし、過去に3つの記録を生涯記録で複数達成した選手はいません。また過去大投手と言われた選手であっても1つ達成することですらなかなかできていません。 では、なぜ佐々木投手は同時に、かつ最速で達成できたのでしょうか。

 

そこには、潜在意識が大きく影響しているからと考えられます。潜在意識の働きが弱かったら、達成できても完全試合か奪三振記録のいずれかで終わっていた可能性があります。 そう推測できる理由は、佐々木投手が「自分が頭に描いていることを言語化できる人間になりたいですし、それが憧れです」と述べているからです。一般的に若いときは、技術を体に覚えさせるだけで言語化しようとは考えません。なぜなら、「一流の名選手が必ずしも名監督ではない」と言われるとおり、スポーツの技術は簡単に言語化できないからです。 技術を言語化するのが難しいのは、泳ぎ方の本を読んだだけでは泳げるようにならないことでわかります。それにもかかわらず、佐々木投手は最大の武器のスピードボールに加えて変化球をマスターし、制球力をつけるために反復練習によって体に覚え込ませるだけではなく、それを言語にできるように努力しています。

 

あまり良い例ではありませんが、車の運転は誰でも練習によってできるようになります。しかし、事故を起こさないように危険の予知や渋滞でイライラしないようにするには言語化して、それを潜在意識に刷り込まないと簡単にできないことに似ています。 佐々木投手は意識して、ただ速いボールを投げ、変化球を覚え、制球力をつける努力だけではなく、それらを総合してハイレベルな投球ができる投手を目指しています。それを裏付ける言葉として、佐々木投手は「先発ピッチャーとしてイニングをしっかり稼げて、ストレートを平均160キロぐらいで投げて、真っすぐも変化球もしっかりコントロールができる、そういう総合的に良いピッチャーを目指したいなと思っています」と語っています。 この言葉は先発投手の多くが理想として意識していることです。

 

しかし、言語化する努力の過程で、佐々木投手は理想のイメージを他の投手よりも潜在意識に強く刷り込んでいます。その結果が、完全試合に加えて連続13人奪三振と19人奪三振を同時達成するという快挙につながったと考えられます。完全試合達成の可能性の意識は恐らく6回ころから始まって徐々に強まり、四球を出したくない、打たれたくないと投球がどうしても萎縮していきます。 しかし、投手の理想は三振を取ることであるため、佐々木投手の無意識下にある理想の追求イメージが、顕在意識に勝って萎縮することもなく100%の能力を発揮させたのです。そのため完全試合プラス三振記録の更新とタイ記録の同時達成という偉業を後押ししたに違いありません。 多くの人が夢や希望を持ちますが、その思いはあいまいなままであったり、中途半端であったりします。佐々木投手が実行しているように夢や希望を言語にして、毎日潜在意識に刷り込めば、やるべきことが明確になって大きなことでも実現できるようになっていきます。

人生を好転させる潜在意識の活用法

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