顕在意識で強く願う、が第一歩
顕在意識と潜在意識の関係性は、顕在意識が主人、潜在意識が召使。
あるいは顕在意識は社長、潜在意識は社員だと置き換えられます。
潜在意識は非常に忠実であり、顕在意識の指示に従うことはもちろん
顕在意識がこうしたい、こうなるといいなあと思っていることまで察知してそれらも実現していきます。
願った通りの結果を手に入れたいならば、何よりも大事なのは、
まず、顕在意識が「こうなりたい」という思いを明確に持つことなのです。
次に、
その思いを潜在意識に正確に、最も効果的に伝える方法を考えてみましょう。
同じように夢を持っていても、夢が叶う人と夢破れる人がいるのは、
潜在意識に伝える方法が正しいか、間違っているか。
あるいは上手か、下手かの違いがあるからです。
潜在意識をフル活用するための3つのツール
潜在意識に顕在意識の思いをストレートに伝え、潜在意識の力をフルに活用するためには、次の3つのツールを上手に使いこなすことが大事です。
3つのツールとは、
1言語・イメージ化
2呼吸法
3感謝
です。
今回は1言語・イメージ化を説明します。
言葉は顕在意議の思いを伝えるために誕生した
地球上に人類が登場したのは約700万年前のことですが、文明らしきものを持ち始めたのは、数千年くらい前から。
このころからエジプトやインダス川流域などに本格的な文明が誕生しますが、この時系列は、あるものの登場とみごとに一致しています。
そのあるものとは、「言葉」と「文字」です。
言葉の登場によって文明の歩みに加速度が増し、数千年前、文字を使いこなすようになってから、さらにスピードアップしたのです。
発祥から長い間、人類は他の動物たちとそう変わらない、生存と子孫を残すことだけに明け暮れる生活を送っていました。
食糧の確保がままならないこともあれば、猛獣に襲われることもあり、毒蛇の毒に冒されることもあったでしょう。
毎日、命の危険と隣り合わせで生きていたのです。
寒冷期もあれば酷暑もあります。
厳しい気候に耐えなければならないし、災害も襲ってきたに違いありません。
当時の人類は温かな環境でお腹いっぱいに食べ、群れのメンバー、とりわけ子供が元気で上機嫌でいてくれることを切に願っていたのではないでしょうか。
長い長い歴史を通じてひたすらそう願っていたはずです。その願いは明確なイメージとなって潜在意識に伝えられ、潜在意識を動かす原動力になっていったのです。
このイメージを共有しながら、群れのメンバーは自然に力を貸し合うようになり、協力し合うようになっていきます。
最初のうちは視線やしぐさでお互いの思いを通い合わせながら、共同で作業を進めていったのかもしれません。
もっと効率よく協力し合うことができれば、どんなにいいかと願いながら。
お互いのこうした願いが集合的無意識に刻み込まれ、闘値に達したとき、その思いが結実し、「言葉」が誕生ます。
つまり、言葉はもともと、顕在意識の意思や思いを伝えるツールとして生まれたものだったのです。
今でも、顕在意識の思いや願望は「言葉」に出すと、いつそう強く潜在意識に伝えられ、願望は達成されやすくなります。
受験のとき、机の前に「○○校、絶対、合格!」などと書いた紙を貼り、勉強をした人も多いでしょう。
これは言葉というツールを使って、自分の思い(顕在意識の思い)を潜在意識に強く伝える、非常に有効な方法だったのです。
言葉を介して伝えられた顕在意識の思いに潜在意識が反応し、集合的無意識にある情報などあらゆるノウハウを総動員し、潜在意識の根源である宇宙生命エネルギーを駆使してその実現に向けて動いていく。
これが夢が実現されるメカニズムです。
言葉は顕在意識が作ったものです。
したがって潜在意識は言葉には絶対忠誠。
どんなことをしても、その言葉に従おうと全力で働きます。
こうして、言葉に出された願いはどんな願いであれ必ず確実に実現されます。
「完了形」を使う
言葉の使い方にもコツがあります。
「完了形を使う」と良いのです。
「私は社長になる」というよりも「私は社長になった」というほうが断然効果があるのです。
夢とは未来において実現されたことをこい願うことなので完了形で夢を描くとイメージが湧いてきて、映像化されやすくなります。
大事なことは、言葉は影響力がありますから、悪い要素を持った言葉を使ってはいけないということです。
例えば、病気になったら「病気が治りました」ではなく、良い言葉を使った完了形で「私は健康になった」と願うのです。
あなたがなんとしても成功したいなら、「成功したい」ではなく
「自分は成功した」と言葉に出してください。
あるいは文字に書いて貼り出し、それを毎日、必ず読み上げる(言葉に出す)ようにしてみましょう。
毎日、夢が達成されたと完了形で言っているうちに成功者になったという自覚が生まれ、立ち居振る舞い、行動、態度、考え方などが自然に成功者にふさわしいものになっていき、やがてあなた自身のものとして定着していくという成果も望めます。
潜在意識はこうしてあなたを変え、自然に成功者へと導いていくのです。
アメリカで盛んな自己実現のための実用心理セミナーでは、数年後、すでに思いを実現した自分にインタビユーするという実習を行っているそうです。
これも、「すでに思いが実現した」という完了形で、成功のイメージを潜在意識に具体的に伝えるためのテクニックです。
ワクワク感もあり、けっこう面白いので、自作自演、あるいは親しい友人などと「未来の自分へのインタビユー」を行ってみることもおすすめします。
なぜ「成功したい」ではダメなのか
潜在意識に顕在意識の思いを伝えるとき、たいていの人は「こう、なりたい」と未来形を使うことが多いはずです。
「リッチになりたい」
「健康になりたい」・・・というように。
でも、よく考えてみてください。
「・・・になりたい」という言葉を使うときにはその前提として、
「今は健康ではない。だから健康になりたい」
「いまはリッチではない。だからリッチになりたい」。
「こうなりたい」といいながら、主人である顕在意識には
「いまは健康ではない」
「いまはリッチではない」
というイメージが残ったままなのです。
すると潜在意識はこの顕在意識に残っているイメージに反応して、それを実現しようとしてしまうのです。
懸命に願望を潜在意識に届けているつもりなのに成功するどころかいっこうに良い方向に向かわず、ますます悪い方向に進んでいくのです。
一片の疑いもなく、堂々と自信を持って願う
願望を抱くときは、遠慮することなく、堂々と自信を持って抱くこと。
「こんな大それた願いを持ったところで自分にはまだムリに決まっている。とても自信がない。
でも、もしかして、そうなれたらどんなにいいだろうか!」
とか、「できればこうなりたい」というような願い方も逆効果になるので気をつけないといけません。
「もし、できれば・・・」と願うのは一見、遠慮深く謙虚なように見えますが、
その底には、
「ムリかもしれない」
「ダメ元だけれど」
というネガティブな思いがあるからです。
潜在意識は顕在意識の本音を絶対に見逃しません。
その結果、このネガテイブな思いを実現するわけです。
自分はダメな人間だ。平凡でそう大した人間ではない、などと思っていれば、潜在意識は思いをそのまま実現するので、あなたはますますダメ人間になるか、そう大した成果のないまま、満ち足りた人生とは遠ざかっていくだけです。
自信を持って完了形で断定し、夢を実現したイメージを繰り返して
強く思い、ネガティブなイメージを払拭しなければいけないのです。
謙虚であることと自己否定は一見似て見えますが根本的には180度異なります。
絶対の自信に裏付けられながらも謙虚さを失わないこと。
なかなかむずかしいものですが、これが最も前向きで、潜在意識を大きく突き動かす姿勢です。