vol.73児童虐待と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

児童の虐待死が絶えません。直近では、千葉県野田市の栗原心愛さんが父親から虐待を受けて亡くなった事件が大きく報道されています。

あまりにもひどいことをする父親が最大の問題ですが、そこから救うべき役割を担う学校、教育委員会、児童相談所などの大人が無責任に放置(あえて強く言えば暗黙に加担)して、責任を問われることもなく言い訳のみをしている構図は過去にも同じような虐待が起きていながら、いっこうに改善されていません。

現状の体制では子どもを守れないことを認識して法律、情報の共有化や対応する人員の増員、および専門性や権限の強化などの体制を抜本的に変える必要があります。

ちなみに児童相談所には、通報を受けても48時間以内に対応すればいいというのんびりとした決まりがあるようです。確かに虐待は殺人などの犯罪と違って警察のように直ちに行動を起こさなくても命に関わる可能性は低いでしょう。

しかし、その考えそのものが命に関わるということを軽視し、命に関わると強く推測されても、あえて直視することをしなくさせています。

欧米には、幼い子どもだけを残して数時間親が外出しただけでも逮捕されるという国があります。この法律の是非は別にして、親の身勝手で育児放棄をしたり、暴力をしつけといって他人の介入を拒否したりすることに対して、子どもの命や人権を断固として守るという強い社会的な意思を感じます。

 

栗原心愛さんの事件があまりにも報道されるため過去の虐待が逆に速く風化していっています。しかし、少し前には「もっともっときょうよりかあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」など悲痛な思いをノートに書いていた5歳で虐待死したの船戸結愛ちゃんがいます。

その他にも佐々木拓夢ちゃん、斎藤理玖くん、坂本愛羅ちゃんなどが、ひどい虐待を受けて餓死するなどして亡くなっています。

亡くなったから報道されるのであって、現在進行形の虐待はその何十倍も隠れている可能性があります。つらいことですが虐待と潜在意識の関係について考えてみたいと思います。

 

■虐待と潜在意識

子どもに対する虐待を起こす親にはいくつかの特徴がありますが、そのなかの1つに親が過去に虐待を受けていてそれが影響していることがあります。これは、単に精神的な影響ではなく、脳がダメージを受けた結果が関係しています。

過去に親から言葉や暴力による虐待を受けていると、例えば、体罰を長期的・継続的に受けた人の脳は、脳の「右前頭前野内側部」という部分が、平均して約2割も小さくなっていたことがMRIを使った研究で分かっています。この部分は、感情や思考をコントロールし、犯罪抑制力に関係しています。

また、同じように集中力・意思決定・共感などに関係する脳の部分も約17%減少し、物事を認知する働きをもつ脳の部分も約15%減少していたことが分かっています。さらに、当然なこととして脳の潜在意識にも強く虐待を受けたことが刻み込まれます。

 

子どもは、感情を抑制できないことから自分本位な欲求をし、親に過度に甘えます。しかし、その親が虐待で過去にそういう過程をうまく過ごせていないと、上記の脳の問題から自分の感情や思考をうまくコントロールできないで、わがままな子どもに対して我慢できなくなって感情を爆発させて虐待を起こしやすくなります。

一般的に、子どもが周囲に配慮することなく自由奔放に振る舞っているとき、一定の我慢の範囲をこえると「ほほえましい」という感情から一気に「うるさい、迷惑だ、懲らしめてやりたい」と強く思うようになります。しかし、他人の子どもだからという強い自制心が働きますが、親にはその歯止めがないため虐待を簡単に始めます。

 

■潜在意識を書き換えよう!

なお、脳には復元力があり、縮まった部分もその後に環境を改善すると元に戻ることが脳の研究で分かっています。また、虐待までいかなくても嫌な思いがたくさん潜在意識に刻み込まれている可能性があります。すると知らないうちに日々の行動が影響を受けますが、このことは心理学・認知科学では「スコトーマ(心理的盲点)」と呼ばれています。

 

私たちは、何かを認識するとき五感で受け取った情報を脳が認識するのですが、このときそのまま認識するのではなく「過去に受けた強い記憶」とつなぎ合わせて脳は認識します。

 

また、脳は受け取った情報を「重要である」「重要でない」と分けて認識します。「スコトーマ」とは、この新しい認識を過去の記憶を元にして認識すること、および重要な情報だけを長期記憶しようとする脳の働きから「認識できるものも認識できなくなる盲点」のことです。

このため、受け取った情報がプラスだとしても、過去の嫌で不快な情報とつなぎ合わせられると新しい情報をプラスとしてそのままストレートに受け取れません。

そこで、過去の虐待で縮小した脳や潜在意識にあるネガティブでマイナスな情報・思いは潜在意識を書き換えることで、人間として合理的な判断や行動ができるようになるとともに、ポジティブで積極的な思考ができるようになって夢や願望を実現しやすくできます。

人生を好転させる潜在意識の活用法

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