vol.70 市原悦子さんの声・話し方と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

「家政婦は見た!」や「まんが日本昔ばなし」などで知られる女優・声優の市原悦子さんが2019年1月12日、82歳で亡くなりました。ドラマや映画でのセリフの話し方や「まんが日本昔ばなし」のナレーションには独特な特徴があり、多くの人の記憶に強く残っています。

その声や間などの話し方の特徴や、その特徴がもたらす効果や潜在意識に響く理由などについて解説します。

 

市原悦子さんの声・話し方の特徴

市原さんの声・話し方の最大の特徴は、テンポ、音程、音量、リズム、息継ぎなどのすべてが極めて均一に近いことです。このような抑揚も少なくテンポも一定の話し方は、通常であれば、素人がセリフを話すような棒読みになって、女優や声優は失格になるでしょう。

しかし、下手な大根役者でなく演技力のある女優として、またナレーターとして見る人、聞く人を納得させられるのは不思議なことのように思えます。

不思議なことではない理由は、均一に近いなかで微妙な差をもたせていることにあるようです。このことが、ただの素人の大根役者と大女優・声優を分けていると考えられます。

なぜなら、テンポがゆっくりであるためにセリフの一言、一言がよく聞き取れ、また音程、音量、リズムが極めて一定のなかでの微妙な差がセリフに込められた感情を際立たせて、見る人や聞く人の心の奥底までしっかりと訴求してくるからです。

一歩狂うと、ただの素人役者になるところですが、ギリギリのところで素人役者にならないだけでなく、女優・声優としての個性を強く生み出しています。

 

市原悦子さんの声のもう1つの秘密と潜在意識

市原さんの声には、もう1つの多くの人を魅了する秘密があります。それは、周波数です。国立研究開発法人産業技術総合研究所によると人間の耳が聞きとりやすく感度のいい周波数帯があり、その周波数帯域(音程)は3,000Hzの前後、2,000Hzから4,000Hzの間ということです。

市原さんの声は見事にその帯域に収まっているようで、先程の話し方の特徴も加わって耳や心に心地よく響いてきます。

また、話の間も大切にしていたらしく、朗読の録音で間の部分をわずか1カ所0.3秒だけ編集でカットして放送をしたところ、それを聞いた市原さんは気づいて、「今度から間を編集しないでくれ」と要望したと言われています。

 

市原さんは、プロとして演技や話し方の練習の虫であったと言うことですから、話し方のすべてに神経を細やかに注いで、無意識でも常に同じ話し方ができるように潜在意識に刷り込んでいたと思われます。

そのため、わずかな差にも気がついたのでしょう。そして、市原さんのプロ意識と心地よく明瞭に心に響いてくる話し方があったから「まんが日本昔ばなし」を見た世代の人は、市原さんのナレーションを聞くと潜在意識同士が共鳴することから懐かしく、またほっとした感情に見舞われるのでしょう。

潜在意識が共鳴することを活用すれば自分の感情を相手に伝えやすくなって、その結果、夢や願望を実現することがより容易にできます。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

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