vol.60 成果をあげるコーチングには潜在意識の活用が重要【人生を好転させる潜在意識の活用法】

近年、スポーツやビジネス分野でコーチングが注目されています。スポーツの世界では、ごく普通に選手に対する指導として古くから行われてきています。しかし、スポーツの分野では、間違った方法としてコーチングが行われていました。その間違ったコーチングのウミが一気に表面化したのが2018年でした。

これでもかというほど、さまざまなスポーツ分野で選手と指導者との間で暴力やパワハラなどたくさんの問題が表面化し、世間を騒がせました。

 

そこでは、選手のためを考えた選手ファーストの指導は行われず、代わりに指導者の保身や名誉・金銭欲などのために選手に身勝手な圧力をかけて不公平な選手選考をしたり、選手の練習を阻害したり、あげくは不正な審判を強要したりするなど、スポーツに必要不可欠な正々堂々とした態度・精神のスポーツマンシップは無視されていました。

この問題には、日本のスポーツ界の構造的な問題もありますが、ここでは非科学的で精神論を重視したスポーツ分野で行われていた過去のコーチングではなく、本来の意味である「コミュニケーションを通して、選手の目標達成に必要なスキルや知識を付けさせるプロセス」のコーチングとはどのようなものか、また潜在意識がコーチングを成功に導くための重要なことについて解説します。

 

■ビジネス分野でも重要なコーチングの技術

高度経済成長時代という言葉も死語になりつつありますが、この時代は作れば売れる時代でした。この時代には、上の命令を黙々とこなすだけで実績がどんどん上がる時代で、考えるよりもとにかく動くことが重視されました。しかし、時代は変わり、現代は先の見えない不透明で不確実な時代です。

かつて行われた猛烈主義の仕事のやり方では成果を上げられません。答えがなく過去の実績が通じない今の時代は、考えて答えを見つけ出しながら仕事を進める必要があります。

また、受け身ではなく自ら考えて行動できるようにもなる必要があります。ただ、号令を出すだけでは成功できず、社員自らが考えてよりよい答えを探し出せるようにしなければなりません。

 

■真のコーチングとは

過去、スポーツ分野では「コーチング」は、一方的な指導、考えさせるよりも根拠のない精神論が重視されてきました。しかし、これは本来の意味の「コーチング」ではありません。真のコーチングとは、「会話しながら、社員や選手が自ら答えを見つけ出す手助けをすること」です。

スポーツであれば技術的な指導、社員であればビジネスに関する知識を教えることも重要ですが、それをむりやり教え込んで勝利至上主義にする、あるいは目的達成のために手段を選ばないことではありません。

コーチングで重視しなければならないことは、「立てた目標を達成するために必要な活動全般についてコミュニケーションを通して選手、社員に理解させ、選手や社員自らも考えられるようにすること」です。

そのためには、一方的に押し付けるコーチングではなく、選手や社員に考えさせ、隠れている能力を引き出し、そして自らの飛躍を抑えている心理的な問題をも解決するのが真のコーチングです。

 

■真のコーチングには潜在意識の知識が必要で重要

一方的なコーチングで、選手や社員に一定の知識やテクニックを身につけさせられますが、その方法では教えた以上の能力を選手、社員は発揮できません。選手自らが、考えることで自分にあうように創意工夫して身に付けることで、教えられた以上のパフォーマンスを発揮できるようになります。

そこまでできるようにコーチングするときに、大きな弊害になるのが選手や社員が意識していない無意識です。例えば、できる能力があると思ってコーチングしてもできないのは、技術や知識をこえたところで選手や社員の無意識な潜在意識が邪魔をしていることがあるからです。高度な技術を習得するとき、私たちはできない現実に直面すると、できないという意識を持ってしまい、そこであきらめてしまいます。

これだと、できないという心理的な意識が本当にできないという結果を現実としてもたらします。最悪は、「何をやってもダメだ」と、他のことにまで悪影響を及ぼす劣等感を芽生えさせます。

 

そこで、選手や社員がうまくいかないときは、精神論、根性論ではく、また表面に現れているうまくいかないことや問題を解決するための手助けをするだけでも不十分です。

なぜなら、意識レベルの問題は現実の問題よりも大きな影響を与えるからです。それは、幅30センチ、長さ3メートルの板が地上1メートルの高さにあれば、簡単に渡れますが、地上50メートルあると渡れないのは落ちたら命がないという意識が働くからです。

意識の持ち方でできることもできなくなります。真のコーチングでは、潜在意識について理解し、コミュニケーションをしっかりとって、影響を与えているその人の潜在意識とそこから生まれてきている心理状態を把握することが必要です。また、選手や社員には潜在意識を活用する重要性と活用の仕方を教えることが必要です。それができることで成果を上げられる真のコーチングができます。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

よく読まれている記事