vol.76 謎の芸術家バンクシーと潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

今までバンクシーを知らなかった人も一気に知ることになったのが、2018年10月にオークション会場でバンクシーの絵画が1.5億円で落札された直後に、その絵画が額縁に仕込まれたシュレッダーで下半分が裁断されるという衝撃的なニュース映像でした。
その絵は、赤いハート型の風船が少女の手を離れていく姿が描かれた「少女と風船」でした。赤い風船と少女がモチーフの絵画はバンクシーの代表作の1つとしてよく知られています。
ちなみに、半分が裁断された絵画は「愛はごみ箱の中に」にと名付けられて、さらに価値が上がると言われています。

バンクシーは、グラフィティアートと呼ばれ、スプレーやフェルトペンなどを使って壁などに描く落書きを世界各地で誰にも気づかれずに描き、素顔を隠している芸術家です。
複数人で作業をしているのではないかとも言われています。作品は、壁や塀にステンシル(型紙)を使って描かれ、単なる落書きだとして消されてしまったこともありますが、バンクシーの名声が高まることで、作品の特徴が知られるようになり、近年は許可なく書かれた落書きであるものの保護されるようになってきています。

日本でも最近バンクシーの作品ではないかと推測されるグラフィティアートが東京、千葉で見つかり話題になりました。自分の作品を裁断するなど芸術家であれば決してしないことをしてしまうバンクシーとその作品の魅力と潜在意識の関係について考えます。

 

■バンクシーの作品の魅力と潜在意識

バンクシーの作品は、芸術性の高さよりも反資本主義、反権力などをテーマに社会を風刺した政治色の強い主張が込められていることが大きな特徴です。その作風が、作品を見る多くの人の潜在意識、琴線に触れることから共感を呼んで高い評価を得ています。
また、その作風は見せかけではなく、芸術活動は街のなかの壁や塀などに描くことが主で、大手企業とのタイアップや商業商品とのコラボレーションなど依頼はほとんど受けていません。
芸術による自己主張の内容とバンクシーの生き方にぶれがなく徹底して一致していることも作品の価値を高めています。

バンクシー自身は、そのことを「商品化・商業化を定義するのは難しい。マクドナルドのポスターデザインを受注してデザインするより、マクドナルドを批判したポスターを勝手に作る方が金になる」と皮肉っています。

その一方で、バンクシーは、「自分は、反対意見をとなえるためにアートを利用していると自分には言い聞かせているが、もしかしたら自分のアートを宣伝するために反対意見を使っているのかもしれない」と見られることも冷静にみています。しかし、「その裏切り行為のレッテルには、無罪を主張したいが、どう弁解するにせよ、僕の家は昔よりずっと大きくなっていることは事実だ」と、自身の価値の高まりに主義・主張が認められづらいことを認識しています。

 

■バンクシーの芸術を成功に導いた潜在意識

バンクシーの作風と生き方が一致しているのは、バンクシーの潜在意識にある主義・主張が、グラフィティ(落書き)という手段を使って現れているからと考えられます。
バンクシーは自身の潜在意識を素直に発露させようとした結果が、表現手段と自己主張しないで存在を隠すという2つの意外性と結びつき、自身の思想と表現が一体化し、それが多く人の潜在意識にも触れたことから、評価され価値があがるという連鎖で「落書き」を芸術まで昇華させました。

バンクシーの潜在意識と作風が一致していなければ、評価はここまで上がらなかったかもしれません。徹底させたことで、グラフィティ(落書き)が芸術にまで昇華したことから、通常は、建造物損壊罪や器物損壊罪に問われるべきところが問われないかもしれないというおかしな現象まで生み出しました。
自己の主義・主張を潜在意識にまで徹底させ、そこから生まれる行動に偽りなく従うことで良い連鎖が生まれて成功する好例がバンクシーの芸術活動です。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

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