現状の自分を変えたいという気持ちはあるけども、日常に流されて自分を変えるための一歩が踏み出せない人は意外に多いのではないでしょうか。
高齢者に「今までの人生で後悔したことは何?」というアンケート調査をすると、多くの人が後悔の1つに「何もしなかった、もっとしたいことをすればよかった」ということをあげるそうです。
家族やお金のことを考えると制約があることは事実ですが、1回だけしかない人生、できれば悔いは残したくないものです。
映画「イエスマン」で、紹介した「ポジティブ思考」は、悔いを残さないための1つの方法です。
同じようなことですが、
今回は一歩踏み出す勇気で自分のやりたいことをやろうという強いメッセージが込められているベン・スティラー主演の映画「LIFE!」を紹介し、潜在意識との関係について解説します。
■映画「LIFE!」のあらすじ
あらすじを簡単に紹介します。主人公のウォルター(ベン・スティラー)は、有名雑誌の写真管理部に勤務する空想が大好きな社員です。
空想の世界では自己実現を満たしていますが、現実生活では、一歩踏み出して行動もできないで何の変化もない平凡な生活を送っています。
しかし、担当している雑誌の廃刊が決まり、最後の雑誌制作のための表紙を飾るはずの写真(ネガ)が見つからないことから騒動が始まります。
現実世界では、何も行動を起こせなかった主人公が世界のとんでもない場所へ写真(ネガ)を求めて大変な冒険の旅に出かけます。その過程で平凡だった男性が成長していきます。
一歩を踏み出す勇気があれば成長できるという実感と勇気をもって行動しなければと思わせてくれる映画です。
やりたいことがあるけどできないで、毎日モヤモヤした気持ちでいるなら見てみる価値があります。なお、ストーリーも面白いですが、旅をする場所の大自然の映像が美しい映画です。
■一歩踏み出して行動することの大切さ
ごく一部のエネルギッシュな人を除くと、多くの人は行動を起こしたいけどなかなか行動ができないときの経験を何度か持っているのではと思います。
そのようなとき、「自分にはとてもできない」「時間とお金がない」「失敗したくない」など、さまざまな理由を付けて自分の本当の思いを押さえ込んで、自分の気持ちをだまして生活していませんか。
あるいは、本当に自分のしたいことがわからなくて、決まりきった日常生活に違和感を持ちながらも、満足感を自分自身に無理に感じさせて生活を送っていませんか。
「LIFE!」の主人公は、空想することで自己満足し決して行動に移しません。行動を起こさねば、変えられることも変えられず、目的も達成できていません。
無鉄砲な行動は慎まなければなりませんが、起こすべき行動を起こさないと、人生の終盤にやりきったという充実感を持てないで後悔をすることになる可能性が高くなります。
■一歩踏み出して行動するには
一歩踏み出すことはできない人の理由で最も多いのは特に理由らしい理由ではない「明日からやればいい」ではないでしょうか。
しかし、永遠に明日はきません。このような人には、行動を起こした結果生まれる達成感、幸福感、充実感などに対するイメージがないこと、あるいは弱いことが考えられます。
そのため行動を起こすことで生じる「心身の疲労などから起きるけん怠感や面倒さ」を回避したくなると考えられます。
このような悪循環を回避するには、1つのアイデアとして目標を低くすることが考えられます。
1日1時間の勉強はできなくても10分ならできる、1時間のウォーキングはできなくても10分ならできる可能性があるので、とにかく継続できる目標にして継続することです。
クレペリンテストで知られるドイツの心理学者エミール・クレペリンが発見した「作業興奮」という作用があります。
「作業興奮」とは、脳が嫌に思っていることや興味のないことでも、いったんやり始めると脳が興奮して嫌なことも興味のないことも苦にならずに継続できるようになることです。
作業を始めると脳から「快感」「やる気」に影響を与えるホルモンのドーパミンが分泌されます。そして、この作業興奮が起こる状態を継続すると、記憶されて継続して同じことをしたいという気持ちも生まれてきます。
例えば、部屋や車を掃除するのは嫌だなあと思っていても、いったんやり始めるとあちこちの汚れが気になって、簡単に済まそうと思っていたのにいつの間にか一生けん命になって掃除をした経験がある人もいるのではないかと思います。
したがって、一歩踏み出す行動力を生み出すには、行動後の達成感、幸福感、充実感などのイメージを潜在意識に強く持つことがまず必要です。
次に、とにかく行動できる目標設定をして、その範囲で短い時間でもよいので行動を継続することです。そうすることで、毎日の行動は、潜在意識に植え付けられ意識しなくても自然に行動できるようになるでしょう。