vol.29 フロイトと潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

フロイトは、心理学、精神医学において多大な功績をあげた人物で、その名は多くの人に知られています。

フロイトは、「無意識(潜在意識)」の概念を初めて意識し、人の行動は無意識によって左右されていると提唱しました。

その後、「無意識」の概念は、ユング、アドラーなどに影響を与え、さらに深く広まっていきます。

あらためて、脳科学が発達していない時代にフロイトは、「無意識」をどう考えたのか、そして脳科学的にみた「無意識」とはどのような状態か、また「無意識」が行動に与える効果について考えてみたいと思います。

 

フロイトの「無意識」とは?

フロイトは人の心の構造は「意識」「前意識」「無意識」の3つの構造(階層)から成るという考えを初めて提唱しました。

その後、思索を重ね、人の心の機能(行動をコントロールする機能)は、
「エス(イド)」「自我」「超自我」という3層構造を提唱しました。

「意識」とは、自分がしている行動や、考えていることを自分自身が理解し、自覚していることです。

「無意識」とは、自分で自覚できていないことですが、まったくの「無」ではなく「意識」によって心の奥底に押し込められて「意識」ができていない状態のことです。

「前意識」とは、「意識」と「無意識」の中間にあって、普段は自覚できていないが、思い出そうと努力したり、他人から指摘されたりして自覚(意識)できることです。

そして重要な点は、一般的に私たちはすべてを意識して、自分で考えて行動していると思っていますが、「無意識」が人の行動・考えに影響を与え、左右しているということです。

その例として、私たちは食事や勉強を意識して始めても、無意識に好きな食べ物を選んで食べたり、好きな科目や得意科目から始めたりと無意識な行動をたくさんしています。

なお、「無意識」とは、例えば、「靴は無意識で常に右から履く」あるいは「食べるとき、はしは意識しなくても右手に持つ」などの無意識は、「学習した習慣」によるものであって無意識とは異なります。

 

「エス(イド)」「自我」「超自我」とは

「エス」とは、本能的・生理的な欲求で、人としての活動や行動を起こさせる意欲の源泉となります。

人の3大欲求の食欲、性欲、睡眠欲のほか、自分の欲求や自分を不快にする者を攻撃する欲求、金銭や物に対する欲求、嫌なことを拒否する欲求などが含まれます。

「超自我」とは、倫理や道徳を重んじ、良いことをするようにすすめ、悪いことはしないように抑制します。

「自我」とは、「エス」と「超自我」を調整し、現実や状況にあわせてバランスをとる働きをします。

フロイトは、この3つは連携して作用し行動をコントロールしていると考えました。

「無意識」でも行動を起こす源泉となる「エス」とは、人が本来持っている本能的、生理的、快楽的などに対する欲求だけではありません。

例えば、好きな食べ物や好きな科目があると無意識にできるように潜在意識に植え付ければ、意識しなくても行動できて、その行動は成功を引き寄せる可能性を高めるでしょう。

 

脳科学と潜在意識

脳研究者の池谷裕二東大教授によると、脳の「海馬」は、情報をすぐに思い出せる短期記憶(顕在意識)として蓄積するとともに、その情報が長期記憶(潜在意識)すべき情報かを検討・判断する働きがあるということです。

長期記憶すべきかどうかは、生きていくために必要な情報かどうかによって決まり、意志を込めて繰り返し情報を送り続けると、「海馬」は、生きていくために必要な情報と思いこんで、長期記憶ができる「大脳皮質」にその情報を送り込むといいます。

「夢や願望を紙に書いて見るたびに思い込むと実現する」という話は、「非科学的で信じられない」という人もいますが、潜在意識に「エス」として夢や願望を植え付けられることは脳科学的に証明されている話です。

そして、少なくとも行動に移せるパワーが信じられない人よりもはるかに大きく、夢や願望が実現する可能性は圧倒的に大きくなります。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

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