マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、あるいは不要不急の外出自粛などの徹底が多くの人に意識に刷り込まれたこと、およびワクチン接種の開始や厳しい寒さも和らぐ季節になっていくことから、新型コロナウイルスの収束にやや明るい兆しが見えるようになってきました。 しかし、「首都圏では新規陽性者数下げ止まっていること」「感染力や致死率が高く既存のワクチンの効果があまり期待できない可能性のある変異株が19府県で見つかるなど拡大していること」、および「感染リスク、収入減少、新しい働き方などに対する不安・ストレスを感じている人が多いこと」などで新型コロナウイルスに負けずにこの難局を乗り越えていく心構えを、まだまだ長く強く保つ必要があります。 そのためにはストレスフルにならずに人として正しい行動ができる努力を継続していくことが大切です。その手段として潜在意識が効果的なことについて紹介します。
■人は心地良い状態に甘んじて努力を避け怠惰な状態を好む傾向が強い
マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保、不要不急の外出・旅行・3密の自粛などは多くの人に定着してきていますが、このような日常生活にストレスを強く感じる人もいます。また、コロナの感染リスク、コロナによる収入減・働き方の変化や離職リスクなどに対する不安・ストレスを強く感じる人もいます。 人は、このような心理状況に陥ったとき、「無理をしないで自分の好きなライフスタイルや環境をなるべく維持しよう」という気持ちが生まれてきます。その結果、努力を一時的に放棄したり、努力のレベルを下げたりして不安・ストレスを軽減するようになります。 このことは不安やストレスを軽減して、安定した生活が送れるメリットをもたらします。 しかし、一方で努力や我慢ができないなど目的・目標を達成する意欲を失わせます。このように人を「心地良い状態・努力を避ける怠惰な方向」へ導く心理は、生物学的なホメオスタシスが心理的にも働くからと言われています。
■ホメオスタシスとは
ホメオスタシスとは、医学的には「体が一定の状態を保とうとする調節機能」のことで生体恒常性と日本語では言います。 例えば、環境が変化して外気温が変わっても、体は体温を常に一定に保つように働きます。人の体は主に以下の3つの働きでバランスを正常に維持できることから健康でいられます。健康でない状態は、このホメオスタシスが正常に働いていないと言い換えられます。3つの働きとは以下です。 ・体の働きを調整する自律神経 ・ホルモンを作って分泌することで体の機能の調節や制御を行う内分泌系 ・外部から進入する菌やウイルスなどから体を守る免疫系 このホメオスタシスは生物学的な働きに使われますが、人の心理も同様な働きを示すことから心理学にも使われます。例えば、「違う自分に変わりたいけど変われない」「努力を継続できず三日坊主で終わる」などは心のホメオスタシスが働いているからです。 コロナに対する不安やストレスに負けないで、またそこから逃げださないで、そして現状を打破し、目標や希望をかなえるためにはホメオスタシスによる心理が働かないようにすることが必要です。
■ホメオスタシスのデメリットの打破には潜在意識の活用が必要
体に働くホメオスタシスをコントロールすることは困難ですが、心理的なホメオスタシスは可能です。心理的なホメオスタシスが作用するのは、人それぞれに固有の守りたい快適な領域を持っているからです。例えば、朝はできるだけ長く寝ていたい、勉強するより遊んでいたい、苦労するよりも楽しみたいなどです。これに反することは、強い意識で一時的にできても徐々にできなくなっていきます。 安易な方向に流れるホメオスタシスが働かないようにするには、この快適な領域のしきい値を厳しい方向に移動させることが必要です。そのための方法には以下があります。 ・自分よりも厳しい基準を持っている人と付き合う、その人を理想とする ・実現したいイメージを具体的に自分自身に語りかける 最初の方法は、ことわざの「朱に交われば赤くなる」のように、同じかそれ以下の人にと付き合うとレベルが落ちます。逆にレベルの高い人と付き合ったり、理想の人を強くイメージしたりすることで自分よりも高いレベルの行動ができるようになって、それを維持することが可能です。 さらに、これを自分一人でも長く継続できるようになるには、2番目の潜在意識にイメージを強く刷り込むことが必要です。これによって自分を取り巻く環境がどんなに変化しても、またそれによって非常に強い不安やストレスを感じても心理的なホメオスタシスの働きを防止し、動じないで自分のスタイルを貫けます。