vol.121 2020年大相撲初場所で番付幕内最下位ながら優勝した徳勝龍と潜在意識【人生が好転する潜在意識の活用法】

一般社団法人 国際メンタルイノベーション協会
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-10-4 第2TRビル7F
TEL:03-6824-9979 FAX:03-6824-0104

ヘッダ画像

vol.121 2020年大相撲初場所で番付幕内最下位ながら優勝した徳勝龍と潜在意識【人生が好転する潜在意識の活用法】

徳勝龍は2020年の初場所で西前頭17枚目という幕内番付最下位でしたが、14勝1敗の成績で優勝、同時に殊勲賞と敢闘賞も受賞する快挙を達成しました。

徳勝龍の優勝がかかった取り組みは千秋楽の結びの一番でしたが、幕内最下位の幕尻力士が千秋楽の結びの一番で相撲を取るのは、長い歴史を持つ大相撲史上初のことでした。

また、返り入幕での優勝も史上初、そして幕尻力士の優勝は2000年春場所の貴闘力以来20年ぶりですが、西前頭17枚目での優勝は歴代史上最低地位での優勝(貴闘力は同じ幕尻でも東前頭14枚目)。

その他にも三役経験のない力士の優勝は、大相撲が年6場所制になった1958年以降では史上4人目、33歳5カ月での初優勝は3番目の高年齢の記録。

奈良県出身力士の優勝は1922年初場所以来の98年ぶりと大相撲の歴史に残る記録ずくめの優勝でした。このような歴史を徳勝龍が知っていたからなのでしょうか?

優勝を成し遂げた後のインタビューで、徳勝龍は「自分なんかが優勝していいんでしょうか」と涙を浮かべて優勝の実感を謙虚に語っていました。

記録ずくめの歴史的な優勝を成し遂げた徳勝龍の横顔と優勝に大きく貢献したと考えられる潜在意識の働きについて紹介します。

 

■徳勝龍のプロフィール

 

徳勝龍は、1986年8月22日生まれの33歳で身長181cm、体重188kg。中学卒業後は相撲の名門校でもある四国の明徳義塾高校に進学。

高校2年生のときインターハイ団体優勝を経験。相撲大会での個人優勝の経験はなく高校2年生の16強、3年生のときの8強などの実績を残し、高校卒業後は近畿大学に進学。大学では西日本学生相撲選手権大会、全国大学選抜相撲高知大会で優勝などの実績を残しています。

大相撲入門後、2009年初場所が初土俵、幕内への初入幕は2013年夏場所。最高位は西前頭4枚目。入門後の通算勝敗は437勝410敗(幕内での勝敗は171勝204敗)。過去に十両、三段目、序ノ口で優勝が各1回あります。

力士はケガをして土俵を休むことも多いですが、徳勝龍は初土俵から11年間休場しておらず連続出場を継続中。現在、その回数は847回に達し、現役で4位の記録です。

 

■徳勝龍の相撲の特徴と潜在意識

 

相撲の取り口の基本は突き押しですが、左四つの相撲もこなし、巨体にもかかわらず変化もできる俊敏さを持った特徴があります。

その結果、当初は、押し相撲と四つ相撲のどちらもできることからどっちつかずと評されていました。その後、四つ相撲にこだわるようになったことで「左四つでの寄りは重くて圧力がある」との評価のほか、優勝した場所の取り口では「180キロをこえる体重のため、簡単には押されず、押し込まれても回り込むのがうまい。

今場所は動きがいいので相手に重さが伝わる相撲も取れている」あるいは「攻めの姿勢を出せているから、形勢が悪くなっても残したり、逆転できる動きを見せたりできている」と評価され、その結果が優勝に結びついたと思われます。

 

徳勝龍の相撲の基本は、大学時代の相撲部監督の指導によるものです。一般的な指導内容は、相撲の基本である、「とにかく前に出ろ」ですが、徳勝龍が受けた指導は「前に出た後なら、はたいてもいい」でした。

初優勝した場所の10日目からの白星には逆転の突き落としが多くあり、徳勝龍は監督の指導のおかげと感謝を表しています。この指導をした監督は、場所中(1月12日~26日)の途中の1月18日に55歳の若さで急逝。

徳勝龍は、結果として力士としての大切な基礎をつくってくれた恩人にささげる優勝となりました。表彰式でのインタビューで、目頭を押さえ、声を震わせて、「監督が、見てくれていたんじゃなくて、一緒に土俵にいて戦っていてくれたような、そんな気がします」と語りました。

そして、「ずっと、いい報告がしたいと思って、それだけで頑張れました。本当、弱気になるたびに、監督の顔を思い浮かべました」と感謝の言葉を述べました。

 

徳勝龍は、監督から体にたたき込まれ、潜在意識に刷り込まれた「前に出た後なら、はたいてもいい」の相撲を実践していたでしょうが、初場所の7日目の1月18日に監督の悲報に触れたことで、さらに強く監督の教えを意識したのではないかと思います。

その結果が、後半の逆転の突き落としによる白星につながっていったのでしょう。スポーツでは基本や基礎を、あるいは将来の成功イメージを潜在意識に強く刷り込むことが、うまくなるため、強くなるため、成功するために必須です。

徳勝龍の事例はそれが最も良い結果として現れました。後半戦で幕内の上位力士との取り組みが組まれるなか、ものともせずに勝利します。

スポーツに限らず、夢や希望を実現するには潜在意識にその思いを強く刷り込むことが重要です。潜在意識は、その思いを決して裏切りません。

関連記事

<

vol.123 世界中で感染者が拡大する新型コロナウイルス対策と潜在意識【人生が好転する潜在意識の活用法】 新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるい感染者の拡大が止まりません。しかし、この新型コロナウイルス対策と潜在意識に何の関...

<

vol.122 日本球界を代表する名捕手で名監督でもあった故野村克也氏と潜在意識【人生が好転する潜在意識の活用法】 日本球界屈指の名捕手で名監督でもあった野村克也さんが2020年2月11日に84歳で亡くなられました。お悔やみを申し上げま...

<

vol.120 2020年の箱根駅伝で優勝した青山学院大学の原晋監督と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】 多くの人に興奮と感動を与える正月恒例の2020年の第96回箱根駅伝で青山学院大学(以下、青学)が2年ぶり5度目の総合優勝...

<

vol.119 がんとの闘病生活から復帰したタレント堀ちえみさんの強い生き方と潜在意識 【人生を好転させる潜在意識の活用法】 現在52歳の堀ちえみさんは、15歳でアイドル歌手としてデビュー。その後、女優、タレントとして幅広く活躍しながら、結婚後は...