vol.101 3年ぶりの復活優勝を果たしたゴルフ石川遼選手と潜在意識

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vol.101 3年ぶりの復活優勝を果たしたゴルフ石川遼選手と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

ゴルフの石川遼選手が、2019年7月7日の日本プロゴルフ選手権で3年ぶりの日本ツアー優勝を飾ったかと思うと、次の8月25日のセガサミーカップでも優勝と2週連続優勝を飾りました。

石川選手と言えば、まだ高校1年生であった2007年5月、初めて出場した「マンシングウェアKSBカップ」でいきなり優勝。この優勝は15歳と245日のツアー史上最年少優勝記録で「遼くんフィーバー」が起こるなど大きな話題になって多くの人の記憶に鮮明に残っています。

当時、男子ゴルフ界は人気が低迷していましたが、この優勝で人気も復活したほどでした。翌年の2008年1月には高校在学中の16歳でプロ転向を宣言。その年の11月「マイナビABCチャンピオンシップ」でプロでの初優勝を果たします。
この年に4勝し、史上最年少賞金王(18歳)に輝きます。またその翌年の2010年には、「中日クラウンズ」最終日でマークした「58」は、世界最少ストロークでギネス記録になるなど順調そのもので、途中腰痛で5カ月間の長期離脱などがありましたが、2016年までに通算14勝を記録します。

しかし、2016年8月の優勝以降は、今回の優勝まで途絶え、石川選手の名前が華々しく報じられることはなくなります。そして、このころ松山英樹選手が大活躍するようになって「石川選手は終わった」などの声も聞かれるようになります。

デビューが衝撃的であればあるほど、ちょっとの不振でもそう思われることは止むをえないことでした。石川選手自身にとっても良いときのイメージと現実のギャップは、外野の厳しい声とも相まって精神的に大きなダメージを与えたに違いありません。
この優勝から遠ざかった長い3年間から2週連続優勝するまでに復活した石川選手の努力と潜在意識の関係について考えてみたいと思います。

 

■ゴルフ石川・プロ野球イチロー・サッカー本田の3選手の共通点

多くの人によく知られた話ですが、この3人の共通点は小学校の卒業文集に将来の夢を具体的に実現させると書いていることです。全体の文章はもっと長く、具体的に夢が語られていますが、3人の文集のなかから特徴的なセンテンスを抜き出して紹介します。

イチロー選手:中学、高校で活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そして、その球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズが夢です。

本田選手:ぼくは大人になったら、世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。

石川選手:ぼくの将来の夢はプロゴルファーの世界一だけど、世界一強くて、世界一好かれる選手になりたいです。

それぞれ3選手は、いつまでに、どのように、どのような結果を残すかなど詳細に書いている点でも共通しています。小さいころからの夢、目標をどのように実現させるかをイメージして潜在意識に刻み込んでいる点で極めてよく似ています。

 

■石川選手の挫折から復活と潜在意識

石川選手のプロゴルフ生活の当初は、高校生プロゴルファーとしていきなりの優勝や数々の記録を打ち立てて、「日本のタイガーウッズ」の期待を抱かせる活躍をしました。しかし、すでに紹介しましたように3年間も優勝できなくなり、石川選手は終わったとの評価もみられるようになります。しかし、石川選手は偶然の優勝ではなく、2週連続という完全復活を見事に果たします。

復活を果たす前、石川選手は夢を実現させるために2013年からアメリカツアーに参戦します。しかし、アメリカツアーに参戦する海外選手は、石川選手よりもはるかに飛ばし屋が多く、対等に戦うために飛距離を求めるあまり自分の良さを消してしまったのか結果が出ず、悪循環に陥って2017年にはアメリカツアーから撤退します。さらにライバルの活躍や自身の体の不調なども重なって日本でも、なかなか勝てなくなります。

いったん自分のプレーの全盛期を経験した選手が、挫折を経験すると復活を果たすためには、目的・目標に向かうためのより強い鉄の意志が持てないと困難です。特に、石川選手のように若いときにいきなり大活躍すると、このまま夢が実現できると思い込み自信にあふれて成功できると強く確信します。
しかし、その成功体験が強烈すぎて、かえって挫折したときに反動が大きくて新たな目標に向かう意志を強く持てなくなるのが一般的です。
成功体験には「自信がつく」「楽しくポジティブになれる」などのメリットがありますが、その成功体験に「こだわりすぎる」と違う環境に適合できなくなるデメリットもあります。

石川選手は、アメリカでの失敗の代償が大きかったのでしょうか。国内ツアーに復帰しても、なかなか完全復活できませんでした。それでも復活できたのは、石川選手の潜在意識にある「プロゴルファーの世界一だけど、世界一強くて、世界一好かれる選手」が、挫折の3年の間も努力を怠らせなかったからではないかと思われます。
もし、石川選手の潜在意識にこの言葉がなければ過去の栄光を捨てて、一からの努力を3年間も続けることは困難であったことでしょう。

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