vol.100 潜在意識の活用で歴史的勝利を飾ったラグビーワールドカップ日本代表

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vol.100 潜在意識の活用で歴史的勝利を飾ったラグビーワールドカップ日本代表【人生を好転させる潜在意識の活用法】

4年に1度行われるラグビーの第9回ワールドカップが2019年9月に日本で行われます。少し古い話になりますが、日本は前回の第8回イングランド大会でワールドカップ優勝2回の実績のあるラグビー強国で当時の世界ランキング3位、優勝候補でもあった南アフリカを34対32という大接戦のすえに勝利し大金星をあげました。

これまでの日本は、出場したワールドカップでの戦績は1勝21敗2分で世界とは大きな実力の差が存在していたことから、この勝利を海外メディアは「W杯史上最も衝撃的な結果」「スポーツ史上最大の番狂わせ」などと報道しました。
予選は4カ国の総当りで行われ、日本は3勝1敗という好成績を残しましたが、残念ながら決勝トーナメントへの進出はできませんでした。しかし、今までの日本とはまったく違う強さを見せつけたことは、まだ多くの人に記憶に鮮明に残っています。

なお、この大会で五郎丸選手がゴールポストへボールをプレースキックするとき、両手の指先を合わせて忍者のポーズのような格好で前かがみの姿勢でする一連の独特なルーティン動作が大きな注目を集めました。

あれから5年、今年のワールドカップではどのようなすばらしい戦いをしてくれるのか、決勝トーナメントへの進出ができるのか期待が高まります。
そこで、ラグビーで勝利するには体力とパワーが大きな要素を占め、体格で劣る日本人には不利なスポーツでありながら、世界と対等に戦えるようになった秘密の1つが潜在意識の活用であったことについて解説します。

 

■日本ラグビーを強くしたエディー・ジョーンズ氏の手法と潜在意識

ラグビーの弱小国であった日本をここまで強くしたのは、大金星を上げる3年前の2012年4月にヘッドコーチに就任したエディー・ジョーンズ氏の功績でしょう。

ジョーンズ氏は、日本ラグビーを見て「本当の力を出せないまま弱さに甘んじてしまっている」と感じます。しかし、ジョーンズ氏が代表メンバーの選手たちに「君たちは、これから世界のトップテンに入る! そして4年後のワールドカップで必ず勝つ!」と話しても、選手たちは誰も同意してくれません。理由を聞くと、「日本はワールドカップで20年も昔に1回しか勝ったことがない」「日本人は外国人に比べて体が小さい。ラグビーは体と体のぶつかり合うスポーツで、どう考えても勝てるわけがありません」と言います。

このように「自分たちは弱い」という強固な思い込みがありました。そこで、ジョーンズ氏は弱いという意識をなくし、実力をフルに発揮させるため「選手たちの中に眠った、日本人本来の力を、どのようにすれば目覚めさせられるか? 慢性的な弱さから抜け出し大きな勝利に向かっていくには何をすればいいか?」を考えます。

そのために「ジャパン・ウェイ」という方針を打ち出し、それを浸透させるために潜在意識を活用します。「ジャパン・ウェイ」とは、それは外国のコピーではなく日本人の特長を生かした独自のラグビーをするチームの方針のことです。

 

■ジャパン・ウェイを潜在意識に受け付けたシンボル・マーク

体格に劣る日本人が外国チームに勝つために必要なこととして、ジョーンズ氏は日本人が持っている特長として生かせる「機敏さとスピード、わずかなチャンスも逃さない抜け目なさ」をあげます。そして、それを日本人の持つ特性「信頼」「忠誠心」「努力」を生かしたトレーニングでブラッシュアップを目指します。

さらに、日本を代表するトップ選手にもあった「負けても当たり前」の意識を払拭するためにシンボル・マークを作り、練習や言葉による意識付けに加えて、それを常に選手の目につくところに掲示して潜在意識に深く植え付けることを行います。

シンボル・マークは、「機敏さとスピード、わずかなチャンスも逃さない抜け目なさ」の象徴として、それを「侍と忍者」に例えて作られました。忍者は、敵の目を盗み、目にもとまらぬ速さで走る機敏さとスピードを持ち、わずかなチャンスも逃さない抜け目なさを持っています。また、侍は、戦において主君のために命を捨てる勇気と覚悟を持っています。
この勇気は、「体格で劣る日本チームはどうせ勝てない」というマイナス思考を捨てて、体格で劣っても当たり負けしないプレーを引き出す勇気を発揮させるために効果的です。

いくら、顕在意識に体格で負けないと意識しても、それが潜在意識に浸透していなければ無意識で一瞬の判断が必要なスポーツでは、理想のプレーはできません。ジョーンズ氏は厳しい練習と潜在意識を書き換えることで、それまで20年前に1勝しかできず、負けることが当たり前の日本ラグビーチームを優勝候補の1角を破るまでのチームに育て上げました。

潜在意識の活用は、特に体格に劣るようなチームが意思を統一して一糸乱れないプレーが求められるときに効果的です。また、ビジネスなどの構成員が複数の組織を活性化して、目標を達成するときにも効果的に利用できます。

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