vol.94 ボクシングミドル級世界チャンピオンに返り咲いた村田諒太選手と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

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vol.94 ボクシングミドル級世界チャンピオンに返り咲いた村田諒太選手と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

2019年7月12日に行われたボクシングのミドル級世界タイトルマッチで挑戦者の村田諒太選手が、チャンピオンのロブ・ブラント選手(アメリカ)に2ラウンド、テクニカルノックアウト勝ちで雪辱し、世界チャンピオンに見事に返り咲きました。
この日からさかのぼること9カ月前、村田選手は今回対戦した相手に大差の判定で完敗を喫し、チャンピオンの座から陥落していました。しかし、この2人の対戦の勝敗予想は前評判では圧倒的に村田選手でした。

今回の圧勝劇をみてもその勝敗予想は決して間違っていないと思われますが、村田選手は負けてしまいます。その理由は、勝利した今回の闘い方と負けた前回とは村田選手の気持ちの持ち方に大きな差があったと推測できます。
そこには、気持ちの持ち方を変えた潜在意識の働きが大きかったのではないでしょうか。村田選手を勝利に導いた潜在意識について考えてみたいと思います。

 

■村田選手が前回負けた大きな理由は気持ちの持ち方の差?

村田選手は、チャンピオンベルトを失った試合後に、「自分のボクシングの狭さを感じた。完全に負けたなという感じ。実力不足です。
これだけ大きな舞台を作ってもらって、はい次にという気持ちにはなれない。今後? すぐに答えが出ることはない」と語って、現役を続行するのかを保留しています。ボクシングの選手にとって世界チャンピオンになることは最終目標であり、それを守っていくことは最大の喜びのはずですから、それを失った落胆の大きさが感じられます。
しかし、もしかしたらボクシングの技術や、闘いをどう進めるかという戦略以前に村田選手の闘う前の気持ちで守りに入っていたのではないかと思われます。

挑戦者は、タイトルを取りに行くという気持ちにあふれ、極めてアグレッシブです。一方、チャンピオンはベルトを守るために勝ちたいという気持ちはあるでしょうが、どうしてもベルトを守りたいという守りの気持ちが入って、リスクを冒してまで勝ちに行くという強い気持ちまでは至りません。

そのため何が何でも勝ちたいという気持ちより、守りの気持ちが少しでも入ったほうが気持ちの差では負けます。この気持ちの差が、総合力では勝っていた村田選手を挑戦者がくつがえしたのではいかと思われます。

その証拠に、今回チャンピオンに返り咲いた試合では、今までの守りを重視しながら攻撃をするという試合スタイルではなく、とにかく勝つために徹底的に攻撃するという試合戦術であったように見えました。

逆に、相手選手は前回、完勝したため村田選手の攻撃を楽にしのげるという自信があったと思われ、不用意に打ち合いに出てわずか2ラウンドでテクニカルノックアウト負けを宣言されます。いかに気持ちの差が大きいかがよく分かる村田選手の勝利でした。

 

■村田選手に栄冠と勝利をもたらした潜在意識

村田選手が潜在意識を活用した有名なエピソードとして本メルマガでも紹介済みですが、奥さまが「オリンピックで金メダルをとりました。ありがとうございます。村田諒太」と書いた紙を冷蔵庫に貼っていたというアファメーションの事例です。これは、村田選手が直接書いていませんが、実はこれと同じことをずっと以前から村田選手はしていました。

最初は、練習結果を反省とともにノートに練習日記として記録していたようですが、それがその日のことだけではなく未来のことを書くようになっていきます。
「〇〇をテーマに〇〇の練習をしました」のように先に過去形で書いてから練習に臨んだということです。試合前には試合に勝つイメージを結果として書き込んでいました。ちなみに、ロンドンオリンピックで金メダルを取ったとき、決勝の前日にはノートに次のような文章が書かれていました。

「決勝戦。判定で勝った。最後まで試合をあきらめなかった。念願の金メダルを取った。これも周りの人たちのサポートと、家族のおかげだ。感謝の気持ちを忘れずにいたいと思う。佳子!佳子!いつもありがとう!」

 

■チャンピオンベルトを取り返した試合と潜在意識の活用

今回の試合は、前回が完敗であったためか前回と異なって、圧倒的に相手の選手が有利という試合前の評価でした。完敗の理由以外にも、過去に多くの選手が前回負けた相手からチャンピオンベルトを取り戻すための試合を行っていますが、成功したのは過去にわずか2人しかいません。
厳しい状況のなかでも勝てたのは、勝つために自分のボクシングスタイルを変えて徹底的に攻撃的に試合をしたことが最も大きな勝因であったと考えられます。

しかし、今まで積み重ねてきたボクシングスタイルは簡単に変えられるものではありません。スポーツのなかでもボクシングは、特に反射神経の速さが求められ、また体を直接痛めつけるスポーツであることから冷静な試合運びができないスポーツです。いくら顕在意識でこのように闘うと考えていても実際の試合で、頭で考えていたことを実現させることは困難です。

今回、村田選手は今までの自分とは異なる闘い方をイメージして練習を繰り返し、徹底的に練習ノートなどを利用してその内容を体と脳(潜在意識)に徹底的に覚え込ませたからできたのだと考えられます。そして、その結果が判定による完敗からわずか2ラウンドでのノックアウトという完勝に結びつきました。

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