vol.90象形文字と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2019/06/25
2019/07/11
タグ: メンタルイノベーション, 潜在意識, 象形文字
古来、日本には言葉に霊力が宿っているという「言霊信仰(思想)」があります。言霊とは、文字通り「言葉に霊(力)が宿っている」と信じることです。例えば、運動会や遠足の前に「雨が降れば良い」と誰かが言って、本当に雨が降ると、言った本人は運動会や遠足を楽しみにしている人から「おまえが言ったから雨が降った」と昔は非難されることが多くありました。
科学が進んだ現代では、表立って非難する人は少なくなったかもしれませんが、心では「余計なことを言うからだ!」と思う人は今も多いかもしれません。
言霊信仰は科学が進歩し、科学に対する理解が進んでも、今も生きていて結婚式、受験、葬式などの場面では「忌み言葉」として使ってはいけない言葉が、それぞれにあり、マナーとして守られています。例えば、結婚式では「切れる」「ほどける」「破れる」などの「忌み言葉」がたくさんあります。
この言霊信仰は、古代から長く続いているため、日本人は意識していなくても強く影響されています。結婚式、受験、葬式などの場面で「忌み言葉」を使うことは、マナーやその人の品格の問題で済まされて大きな実害は生じません。しかし、国防を具体的にどう考えるかなどの問題は、海外の脅威から自国民を守るために極めて重要なことです。
しかし、このことを考えるときに「戦争」や「軍隊」について考えると、良くないことが起きて、例えば「本当に戦争をしたくなるようになる」から国防についての議論を避けることはしてはなりません。
また「憲法9条」があれば他国には決して攻撃されないと言う論理も「言霊信仰」の一種で間違っています。「憲法9条」を守るということと、自国民を守るためにどうすれば良いかは違う議論です。
また、重要な問題を議論するときに、このようなことを言うと良くないことが起きる、あるいは相手がそのように考えてうまくいかなくなると思われるので避けようとすることも本質的な議論ができなくなり、最善の解決ができない、あるいは不利な状況でしか問題を解決できない可能性が高まります。
私たちは、潜在意識のなかに言霊信仰を持っていると理解して行動したり、考えたりする必要があります。
この言霊については、思い当たる人も多いことかと思います。そこで、言霊と同様に象形文字にも同じような力があること、そして同様に明確な意識はないかもしれませんが、潜在意識に根付いて行動や考え方に影響していることについて紹介します。
■象形文字とは
象形文字とは、ものの形から生まれた文字(漢字)のことです。例えば、「ヤマ」の峰が3つつながっている形から「山」という漢字ができたり、「カワ」の水の流れを表す形から「川」という漢字ができたりしているのが象形文字です。象形文字のなかには、デフォルメされすぎて元の形を想像できないものもありますが、説明されると想像できます。
また、活字を用いて印刷ができるようになると、その漢字とともに近年は、生々しい映像とリンクするようになって漢字から受けるイメージが意識をしなくても私たちの潜在意識に強く刷り込まれています。
そして、言霊が私たちの考え、行動に影響を与えていると同様に、象形文字や漢字から連想する情報が、潜在意識に働きかけて私たちの行動、考えに影響を与えているのではないかと思われます。
■象形文字や言霊が私たちの行動、考えに影響を与える理由
「雨が降る」と強く念じたから「雨が降った」とは、科学が進歩した現代においては、恐らく信じる人は誰もいないと思います。しかし、「私は成功したい」と強く念じると「成功する」可能性が高くなることは、潜在意識を知っている人には常識で、まさに言霊が宿っています。このことは、心理学では「認知的不協和」と呼ばれ実証されています。
「認知的不協和」とは、自分のなかにある2つの情報の間に不一致が生じることで、それが起きると、不一致をなくす方向の行動が起こりやすくなることです。「認知的不協和」は、行動を促すので、商品や書籍などのキャッチコピーなどに利用されています。
例えば、「腹いっぱい食べてもらくらくやせられる商品(あるいは方法)」などいう情報に接すると、腹いっぱい食べることはやせることと矛盾(不一致)している」「らくらくやせられる食べ物(方法)などはないので矛盾している」と考えて、その不一致を解消するには確認が必要なためにより情報に接するようになったり、実際に商品や書籍を購入したりする行動に移ります。
「成功したい」の裏には必ず「成功できないかもしれない」という思いがあります。そこでその不一致を解消するために「成功する」努力を行います。人の意志が入る内容の「言霊」の場合には、このことが「言霊」を信じられる科学的な理由の1つです。
象形文字や漢字から得られる情報も同じような働きをするのではないかと思われるのが、最近になって頻発している高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いによる悲惨な自動車事故です。
「高齢者」「踏み間違い」「事故」などの象形文字や漢字からの連想で、無意識下にあるイメージが悪い方向に働いているのではないかという推測です。誰も事故を起こしたいと考えていません。潜在意識に強く事故を起こしたくないと思っているため、運転の操作能力が少し衰え始めている高齢者は、間違ったときに反射的に操作が切り替えられないパニック状態になって、かえって事故につながっているのではないでしょうか。
直接的な事故の原因はパニックになったときの運転操作の間違いですが、象形文字や漢字から連想するイメージが潜在意識に強く働いて、事故に関連している可能性が考えられます。
考えなくても運転操作が自由にできるのは、潜在意識の働きですが、その潜在意識に運転操作を間違えるかもしれない、間違えてはいけないと言う意識が働いて、かえって正常な運転操作を邪魔しているのかもしれません。もしそうだとすれば、特に高齢者は「間違えない」、「パニックにはならないで運転できる」と強く意識する必要があります。
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