vol.82 京セラ創業者稲盛和夫と潜在意識(1)【人生を好転させる潜在意識の活用法】

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vol.82 京セラ創業者稲盛和夫と潜在意識(1)【人生を好転させる潜在意識の活用法】

京セラ創業者の稲盛和夫氏は、京セラのほかKDDIを創業し、JALを短期間に再生。経営の神様と言われた松下電器創業者の松下幸之助氏に勝るとも劣らない経営者です。
松下幸之助氏についてはその経営哲学は数多くの書籍で語られているので多くの人に知られています。その哲学を一言で言えば「人間大事の経営」といえるでしょう。
利益優先の経営を排し、顧客、従業員、社会全体の幸福を願う経営で小さな町工場を世界有数の大企業にまで成長させました。一方、稲盛和夫氏の経営は、「利他による信念の経営」ではないかと思います。

稲盛和夫氏の書籍・語録には、「潜在意識」の文字がたくさん出てきます。例えば、経営を大きく伸ばすためには「何としても目標を達成したいという潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つことができるかどうかが成功の鍵になってくる」と述べています。
また、松下幸之助氏に近い考え方として、「私たちの心には自分だけがよければいい」と考える利己の心と、自分を犠牲にしても他の人を助けようとする利他の心があります。
利己の心で判断すると自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。自分中心ですから視野も狭くなり間違った判断をしてしまいます」と述べています。

逆に、松下幸之助氏が残した名言のなかには、「信念」がたくさん使われています。例えば、「自分には、自分に与えられた道がある。広い時もある、せまい時もある。のぼりもあれば、くだりもある。思案にあまる時もあろう。しかし、心を定め、希望をもって歩むならば必ず道はひらけてくる。
深い喜びもそこから生まれてくる」(松下幸之助氏の誕生の地ある碑に刻まれた文より)。松下幸之助氏も苦しいときに道を開くには潜在意識の底からの信念が必要なことを稲盛和夫氏と同様な考えを持っていました。そこで、稲盛和夫氏の経歴をたどりながら、2人の偉大な経営者に共通する潜在意識の重要性について3回に分けて紹介します。

 

■経営者稲盛和夫氏の経歴の概要

稲盛和夫氏が鹿児島大学工学部を卒業した1955年当時は朝鮮戦争後の不況で、地方大学の卒業生はよほどのコネがないかぎり、希望する大企業には入社が難しかった時代であったようです。
稲盛氏は、いくつか採用試験を受けますがすべて不合格。ようやく、恩師の口利きで京都の焼き物のメーカーに入社。しかし、この会社は、銀行管理も同然のひどい経営状況の会社でした。さらに、オーナー一族が内輪もめをしていて労働争議も頻発し、同期入社の5人で「こんな会社を早く辞めよう」と言いあうような状況でした。
事実、入社した年の秋には、早くも同期の3人が退社。もう1人も、その後自衛隊の幹部候補学校に入学し退社します。恩師の口利きもあったためかもしれませんが、稲盛氏はたった1人残って、「こうなったら、不平・不満を言っても仕方ない。ここは気持ちを入れ替えて、徹底的に研究に没頭しよう」と決意。
研究室にふとんや鍋を持ち込み、朝から深夜まで研究に没頭。その結果、研究していたニューセラミックにすばらしい研究成果を出します。この研究が認められ主任に昇格。

しかし、主任に昇格した3カ月後に、外部から来た新任の技術部長が、「君の能力では無理だ。他の者にやらせるから手を引け」と稲盛氏に宣告。その言葉に頭の血が逆流した稲盛氏は、「あなたこそニューセラミックスが分かるのか。無理というのであれば会社を辞める」と辞表をたたきつけます。
それを聞いた部下たちが、「それなら一緒に自分たちも会社を辞めてついていきます」と言い出します。前任の上司まで、「なんとか金を集めて会社をつくろう。稲盛君の上に人を置いたらいかん」と言い、会社設立に動き出します。

前任の上司には大学の同窓の友人で京都のメーカーの専務と常務との面識があり出資の依頼をします。前任の上司は稲盛氏を連れて、これまでの経緯を説明して出資を依頼しますが、「この稲盛君がどれほど優秀か知らんが、26、7の若造に何ができる」と一喝されます。
しかし、前任の上司は、ひるまず「稲盛君の情熱は並外れている。必ず大成する」と言い返しますが、「情熱だけで事業は成功するのか」と聞いてもらえません。稲盛氏自身も研究していたニューセラミックスの時代がやってくると必死に訴え、何度も出かけて頭を下げます。
そして、ついに出資を得ることに成功。このとき出資先企業の専務は、「支援するとなったら、とことん面倒をみる」と言って、銀行から借り入れにさいして自宅を抵当に入れ、このとき、専務は妻に「この家を取られるかも知れんぞ」と断ると、「男が男にほれたのですから、私は構いませんよ」と返されたということです。推測するに会社の資金からの出資ではなく個人的な出資の依頼であったのでしょう。
こうして、1959年にわずか28名で始まった京セラは、連結売上高で1兆円超、従業員数約6万人のグローバル企業まで発展します。

 

■稲盛氏の経営哲学「潜在意識」が生まれた原点

稲盛氏は理系の学部の出身であることや、大学卒業後の若いときには人生での成功体験もそう多くないことから、最初から潜在意識がどのようなもので、人生の成功に役立つかはおそらく知らなかったのではと思います。研究に没頭して研究の成果が出たこと、会社設立のために信念を持って出資者を説得したことなどの原体験が、その後の経営に潜在意識が重要であるという思いに至ったのではないでしょうか?
その理由として、稲盛氏は大学を卒業したら起業をしたいという発言が見当たらないからです。もし、志望の大企業に就職できて、そこでの研究生活に満足していれば、松下幸之助氏に並ぶ経営者にはなっていなかったことでしょう。そのため、当初は一流のスポーツ選手が潜在意識を知らなくても小学校や中学校のころに自然に将来の成功をイメージしていたのと同様に潜在意識を活用していたと思われます。

潜在意識を活用した稲盛氏の「利他による信念の経営」は、不本意ながら就職した京都の企業での経験・新会社設立の経験がなければ、生まれていないと考えられることから、その経験が稲盛経営哲学の原点となったのです。次回は、稲盛氏の潜在意識に関する多くの名言から、稲盛経営哲学と潜在意識の働きについて紹介します。

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