vol.77こんまり大躍進!!不用品を捨てきれない日本人の潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2019/04/03
2019/06/25
タグ: こんまり, 潜在意識, 近藤麻理恵
2010年に「断捨離」が流行語大賞にノミネートされ、なかなか片付けができずに多くの家庭で不用品が増えて処理に困っている現実がクローズアップされて話題になりました。
また、なぜか捨てられているゴミを拾ってきて、家の中、敷地内に収容ができないほど集めて、道路にまであふれさせた全国各地のゴミ屋敷は、近隣住民から非難を集めてトラブルになっていることが、たびたびテレビのワイドショーで放映されています。
さらには、高齢化社会を迎え、遺品を整理しきれない遺族を助ける遺品整理業が儲かるビジネスとして脚光を浴びています。いずれも、使わない不用品をなかなか捨てきれないで保有し、収拾がつかなくなってしまった家庭、人が増えています。
このような社会的な背景があるなか、アメリカ在住で日本出身の片づけコンサルタントである近藤麻理恵(通称こんまり)さんの立ち上げた会社が、4000万ドル(約44.6億円)の資金をベンチャーキャピタルから調達する交渉をしているとして話題になっています。
彼女が動画配信サービスのNetFlixで「ときめくものだけを残して、そうでないものは捨てる。いままでの働きに感謝して手放しましょう」と、効率的な片付けと整理の方法を2019年1月に訴えたところアメリカですぐに受け入れられて人気者になりました。
このことから、不用品を片付け、整理したいという人が日本だけでなく世界的に見込めそうな状況です。そこで、不用品を捨てきれない気持ちと潜在意識の関係について紹介します。
■なかなか断捨離できない理由
断捨離がなかなかできないのは、「一時期であっても愛用した思い出があって捨てるとその思い出も消えてしまう」「今は使わないけれど、また使うときがくるに違いない」など「捨てるのはもったいない」「捨てると思い出も消えて寂しい」という気持ちになるからです。
特に「もったいない」という考え方・価値観は、日本の伝統的なもので英語圏の国にはない広い意味を持っています。「もったいない」には、以下のような複数の意味を含んでいます。英語には、これらの意味を持つ1つの単語はありません。
・モノを粗末に扱いたくない、無駄にしたくないという気持ち
・無駄な時間を使った、モノを無駄に扱ったという気持ち
・期待した以上のものを受け取ったときにありがたいと思う気持ち
・何らかの理由でモノ、時間など失ったときの気持ち
・神仏や高貴な人に対して謙遜するときの気持ち
この「もったいない」は、広い意味があることから、「世の中のすべては、みな互いにもちつもたれつの関係があって、それ自身が単独で存在するものではない」という仏教の基本的な考えに関連があります。つまり、身の回りに有るものすべてが、無意味なものではないから感謝しなければならないという考えです。
少なくとも団塊の世代以上の人は、食事のときに茶わんに米粒を残すと、親から「もったいない」といって叱られ、「農家の人が苦労して育てたお米なので、感謝するために残してはいけない」と言われた記憶があることでしょう。このような「もったいない」という価値観が、小さい頃から潜在意識に植え付けられて断捨離ができにくいことと大いに関連している可能性があります。
「もったいない」の価値観は、「米粒は一粒でも残していけない」といって怒られることを経験していない世代にも、親の「もったいない」という価値観をさまざまな生活シーンから感じ取って潜在意識に刷り込まれているかもしれません。
なお、「おかげさま」や「いただきます」も「もったいない」と同様な意味の言葉です。「おかげさま」は、「誰かによって生かされている」ことに感謝する言葉です。「いただきます」は、「命をもらって生かされている」ことに感謝する言葉です。
■「もったいない」が英語の「MOTTAINAI」に
2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアの環境に関心を持つ政治家ワンガリ・マータイ氏は、来日したときに、「もったいない」の言葉の意味を知り、世界に広めようと呼びかけました。
なぜなら、「もったいない」には、「リデュース(減らすこと)」「リユース(再利用すること)」「リサイクル(再生して再利用すること)」の意味がすべて含まれていることに感銘を受けたからです。そして、「もったいない」には、単に惜しむ気持ちだけではなく、そのモノの持つ本来の価値や役割を認めて無駄にすることなく、生かしていこうという意味も含まれているからです。
中国やインドに「もったいない」を意味する言葉がないとしたら、日本人の精神性・感受性は世界に誇れます。
■誇れる「もったいない」の考えを持つ日本人が断捨離をするには
「もったいない」が潜在意識に根付いている日本人には、断捨離が容易ではありません。断舎離をするには、アメリカ人に共感を呼んだ冒頭に紹介した近藤麻理恵さんの「ときめくものだけを残して、そうでないものは捨てる。いままでの働きに感謝して、手放しましょう」を、今までにする感謝の気持ちを強く込めて実践するとよいでしょう。
片付ける時間がない、または片付ける人手がないなら思い切って費用はかかりますが、業者に依頼し、処分するときに「今までの感謝」を強く意識すれば「もったいない」を抑えられるでしょう。
あるいは、「もったいない」にケニアの政治家ワンガリ・マータイ氏が感じたように断捨離をすることは、「そのモノの持つ本来の価値や役割を認めて無駄にすることではなく生かせること」だと潜在意識まで届くように強く思い込むことです。自分を支えてくれたモノが家の中で眠っていることのほうが、「もったいない」と思うのも良いかもしれません。
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