vol.49 2018年夏の高校野球での金足農業高校の活躍と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

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vol.49 2018年夏の高校野球での金足農業高校の活躍と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

 

第100回記念大会の夏の甲子園高校野球選手権で金足農業高校は、残念ながら優勝こそ逃しましたが、見事に準優勝を成し遂げました。

決勝では予選から準決勝まで1人で投げぬいたエース吉田投手の疲れもあって、地元以外から多数の優秀な野球中学生が集まったエリートタレント集団の大阪桐蔭高校に大差で敗れました。

しかし、決勝に進出するまでには、3回戦で横浜高校、準決勝では日大三高など大阪桐蔭高校と同様に地元以外から優秀なエリート野球少年を集めた高校を次から次に撃破。

この結果に全国の多くの人が感動し、心から拍手を送り、興奮の余韻がいまだ覚めないで続いています。金足農業高校が感動と興奮を呼んだのは、いくつもの要因が重なりました。
まず、地元以外から優秀な野球少年をスカウトして集めたセミプロ集団ともいえる私立の強豪高校を、部活動の高校野球の原点とも言うべき全員が地元中学校の出身の公立高校が、次から次に撃破したことでした。

さらに、エースで甘いマスクの吉田投手による4試合連続2桁奪三振など強豪校に対して立ち向かった豪腕ぶり。加えて、強豪校相手の勝ち方も、高校で今までホームランを打ったことのない選手の逆転3ランホームランや金足農業の監督さえ驚いたという意表を突いた逆転2ランスクイズなど劇的であったことでした。

そこで、金足農業の野球と選手と潜在意識との関係について紹介したいと思います。

なお、優勝した大阪桐蔭高校も優秀な野球少年を集めたとはいえ、一発勝負のトーナメント試合を勝ち抜いて春夏連覇は、成し遂げた高校が少ないことからも分かるように至難の偉業であったことは言うまでもありません。

しかも今回は、史上初の春夏連覇が2回目という重圧があったにもかかわらず見事に達成しました。金足農業高校に注目が集まりすぎていますが、大阪桐蔭高校もまたすばらしいチームでした。

 

■金足農業高校が大活躍し準優勝できた理由

公立の金足農業高校は、全国の有力選手を推薦入学や自ら志願してくる有力選手の多い有名私立の強豪高校に対し戦力的には劣っていました。
個々の選手の力だけをみると金足農業高校が準優勝できたことは奇跡と思われたからこそ、あれだけの感動を呼んだといえます。

強豪高校を次々に撃破して、金足農業高校が準優勝できた理由・強さの源泉はどこにあったのでしょうか。また、選手が個々の自分の能力を上回ったと思われるパワーはどこからきたのでしょうか。

野球の技術的には、近年の高校野球はバントをあまり使わない積極的な打撃中心になっていますが、昔の高校野球といえばランナーが塁に出れば、まず送りバントをするのが主流でしたが、そのバントを徹底的に練習したことです。

その理由は、打撃に優れた優秀な他校の選手と同じようにバントをしない積極的な打撃をしていては、勝てないからと金足農業の監督が考えたからです。
その結果が、準々決勝の近江高校での2ランスクイズの成功となって見事に現れます。

また、体力作りとして、冬の間は深い雪で覆われる秋田という雪国のハンディのある練習環境で、走りにくい雪の上を長靴で走り、時にはチームメイトをかついで歩いて足腰を鍛え抜いたことです。これが、予選5試合、甲子園の決勝までの5試合の10試合をすべて完投できた吉田投手の体力につながったのでしょう。

ただ、甲子園での準々決勝前には、直前まで投げられないかもしれないというほど、吉田選手の体は悲鳴をあげていたといわれています。その試合を含めて、その後2試合を完投、決勝では途中降板するまで投げぬいたのは強い精神力であったのでしょう。

技術的、体力的以外の理由としては、吉田投手を中心としたチーム全体の連帯感と信頼感が強かったことが考えられます。吉田投手が、秋田県内で注目を集めていたことから吉田投手と一緒なら甲子園出場などの思いがかなえられるとして、吉田投手が進学する同じ高校に進学して野球部員になったチームメイトが多かったということです。

そのため、吉田投手を中心に連帯感と信頼感で結ばれた強い絆があったと考えられます。エリートの野球少年が、集まった強豪高校では、中学時代エースで4番というお山の大将が多かったと思われ、連帯感や信頼感は金足農業高校には劣ったと思われます。

これが見事に現れたのが、2ランスクイズのときの2塁ランナーの判断です。2塁ランナーの選手は、バントをする選手がバントはうまいので失敗はしないと信頼して、思い切って全力で走ったことから2ランスクイズに成功します。

また、横浜高校戦で2点差の8回裏に逆転の3ランホームランを打った選手にも、ここで負ければ、もう仲間と甲子園で野球ができないという強い連帯感が、後押しして憧れの甲子園での高校初のホームランにつながったと思われます。

もし、ここで「俺が打ってやる」というお山の大将のような意識があれば、力んで打てなかった可能性があります。逆に金足農業の選手には、無欲で連帯感からくるパワーがよい意味で「火事場の馬鹿力」として出たのでしょう。

 

■金足農業高校を躍進させた潜在意識の働き

金足農業高校の潜在意識が、最も強く表れたのは、これもまた2ランスクイズです。通常のスクイズは、3累ランナーを返すのみで2塁ランナーまでも返すことはリスクが大きいため行われません。金足農業の2塁上にいた選手が、頭で考えて判断していたら、考えて脳が走れという指示を出す、そのわずかな瞬間でアウトになっていた可能性があります。

しかも一か八かの無謀な判断で成功したのではないことは、監督の談話を聞くことで分かります。監督は、「2塁ランナーの選手は足がチームで一番速く、内野手がどこでバントを捕ったかを見て走ったと思う」と、話しています。

瞬間の判断力は、脳で考えていてはためらいが生じます。潜在意識にイメージされていないと0.1秒前後の単位で遅れたのではないかと思われます。その結果、2ランスクイズに失敗していたかもしれません。

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