vol.119 がんとの闘病生活から復帰したタレント堀ちえみさんの強い生き方と潜在意識 【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2020/03/24
現在52歳の堀ちえみさんは、15歳でアイドル歌手としてデビュー。その後、女優、タレントとして幅広く活躍しながら、結婚後は母親として7人の子どもを育てるという多忙な毎日を過ごしていました。
しかし、2018年の夏頃に舌に違和感を抱いて舌を見たところ小さな口内炎のようなものを発見。実は、これが口内炎ではなく舌がんでした。
舌がんは、発症例が少なく専門医が診れば簡単に診断できますが、専門医ではない一般的な歯科医などの場合は、舌がんを含む口腔がんの知識や経験が少ないため誤診してしまうことがあるようです。
そのため堀さんのかかりつけの歯科医や、持病のリウマチの主治医など複数の医師は舌がんとは診断できず、大学病院で舌がんと診断されたのは最初に違和感を持ったときから約半年が経過していました。その結果、2019年2月にステージ4、生存率は50%と宣告されて、舌の6割以上を切除するという大手術を受けます。
そして、壮絶なリハビリを頑張って2020年1月にテレビ出演ができるまで回復、元気な姿を見せてくれました。
堀さんの場合、舌がん以前にも、特発性大腿骨頭壊死、リウマチ、神経障害性疼痛という重い病気を発症し、つらい痛みと闘っていました。
そこへ早期に発見できていれば、放射線治療が可能で、5日程度の治療で95%以上の確率で治るにもかかわらず、手術で舌の大半を取り除き、話すことも食べ物を食べることも困難になって、舌を自在に動かして元のような生活ができるには想像を絶する大変なリハビリをしなければならなくなります。
さらに、舌がんの退院からわずか1週間後に今度は、食道がんが発見され、内視鏡手術に臨みます。
一般論ですが、さすがにこれだけの重い病気を次から次に発症すると、ポジティブに生きていける人でもネガティブになって生きる意欲をなくし、病気と闘うことを諦めたくなるのではと思われます。
事実、堀さんは舌がんと宣告されたとき、そのときの痛みはひどく、飲食できず、よく眠れないために自分の命はどうなってもいいから、もうこれ以上の痛い思いをするのは嫌だ。痛みを緩和する治療だけでいいかなと思ったと話しています。
しかし、堀さんはつらくても命を大切にし、長く生きるために手術を決意。術後の「生きていても地獄」と思えるほどの痛み、以前のようにはしゃべれないどころか、最初はゼリーでさえ簡単に飲み込めない状況と闘って、闘病についてテレビで明るく語れるほどになります。これほど強く生きられる理由と潜在意識の関係について考えてみたいと思います。
■命を大切にして長く生きると決意した理由
堀さんは、復帰後のテレビで命を大切にして長く生きると決意した最も大きな理由は、舌がんと告知されたことを16歳の娘に話すと、「まだ16年間しか一緒にいない。もっと一緒にいたかったのに」
と泣いたその姿を見て、「もうこのまま手術もせずに、あの世に行ってしまっても構わないと思ったのは、すごく自分勝手だったと気づきました」と涙を浮かべて話しています。
もし、それがなければ手術を受けずに、命が尽きるのをただ待つだけだったかもしれません。最近は、子どもへの愛情が欠けていると思われる我が子への虐待のニュースも多いですが、多くの母親にとって子どもへの愛は、命より重く命を投げ出しても子どもを守ります。
堀さんも大切な子どもを悲しませたくないために生きる決意をしたのでしょう。
これは、母親が子どもに持つ本能であったとともに、堀さんは「失敗したとき」「悔しさや困難さを感じたとき」「逆境のとき」などに、そのときの状況をポジティブに転換できるリフレーミングを意識していなくてもできていたと思われます。
リフレーミングとは、例えば何かに失敗したときにこの失敗は、次に同じことをするとき失敗しないための良い経験をしたと見方・考え方を変える思考法のことです。
どうしようもない状況に追い込まれて行き詰まっているときでも認識の枠組みを変えることで新たな選択肢を見つけだせます。
■リフレーミングを使いこなすには潜在意識の活用が必要
目標の半分しかできなかったときに半分しかできなかったと落ち込むのか、半分もできたと考えるのか、あるいはコップに水が半分入っているのを見て、半分も入っていると思うのか、半分しか入っていないと思うのか、物事には必ずプラスとマイナスの面があります。
しかし、リフレーミングは厳しい状態に追い込まれると、余裕がなくなって一面しか見れなくなって、うまくできない可能性が高くなります。
どのような状態のときでも常にリフレーミングを多面的、多角的にできるようにしておくと人生をポジティブに、かつ有意義に過ごせます。
そのためには潜在意識にこの思考法を刷り込んでおく必要があります。