vol.102 ラグビー・オールブラックスの強さを支える「ハカ」と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

2019/09/24

ラグビーワールドカップ第9回大会が2019年9月20日の日本対ロシア戦を皮切りに始まります。翌21日には、過去8回大会中3回優勝し、前回、前々回大会と2連覇中で優勝候補筆頭のニュージーランドと過去2回優勝のラグビー強国で優勝候補でもある南アフリカが、早くも激突する好カードがあります。

日本は過去8回のすべての大会に出場していますが予選ラウンドで敗退し、決勝トーナメントに進めていません。日本チームの健闘を大いに期待したいと思いますが、今回は、スポーツチームとして歴史上最も成功したと評価され、125年の長きにわたる戦歴でほぼ75%の高い勝率を誇るラグビーのニュージーランド代表オールブラックスについて紹介します。

オールブラックスの勝率は、サッカー王国ブラジル代表チームを上回ると言われています。ブラジルの人口約2.1億人に対し、ニュージーランドの人口はわずか470万人です。単純に人口比でその国を代表するスポーツの代表チームの強さが決まるわけではありませんが、スポーツ人口の分母が小さければ優秀な選手の層が薄くなるので、1世紀以上にわたる長い期間で世界のトップに君臨できるのは困難です。

なぜニュージーランドにラグビーの「最強チーム」が生まれ、その強さが継続しているのかについて、「オールブラックス」が試合前に行う民族舞踊である「ハカ」と潜在意識の関係について考察したいと思います。

 

■「ハカ」とは?

「ハカ」は、もともとはニュージーランドの先住民族であるマオリ族の戦士が、戦いの前に手をたたき足を踏み鳴らして自らの力を誇示し、相手を威嚇する舞踊のことです。現在は、相手に対し敬意や感謝の意を示す舞踊として結婚式、卒業式、開会式、歓迎式典などで行われるほか、「オールブラックス」が国際試合の前に行っています。

「オールブラックス」の「ハカ」は、チームが一体となって相手を圧倒する力強さがストレートに見る者の魂に迫ってきて、その迫力に圧倒されます。相手を威圧するとともに、自らも鼓舞しており屈強な肉体が100%のパワーでぶつかり合うスポーツにふさわしい舞踊による示威行動(デモンストレーション)です。「舞踊」と言うと日本人は日本舞踊などの優雅な踊りを連想するので「示威行動」がふさわしい言葉です。

 

■「ハカ」と潜在意識の関係

「オールブラックス」の試合前の「ハカ」は、多くのスポーツ選手が自分のパフォーマンスやポテンシャルを100%引き出すために行うルーティンを、チーム全体で、かつ相手チームを威圧するためにすることで勝利への意欲を潜在意識から引き出すために役立てています。どんなチームも「オールブラックス」と同等以上に勝利への執念は強いと思われます。

しかし、多くのチームは勝利への執念をチームミーティングや円陣を組んだりして高めていますが、それは顕在意識レベルでの「勝つぞ!」にとどまります。また、特定の個人プレーなどでは前回大会で日本チームの五郎丸選手のように個人単位でルーティンを行うことで能力を100%発揮させようとしています。
しかし、ラグビーはチームメンバーの連携が重要で、かつ潜在意識で無意識にチームメンバー同士の連携ができていないと勝利に近づけないスポーツです。その点で、「ハカ」を行う「オールブラックス」は、勝利への執念が同じレベルであっても、その執念を実現させる点で一歩も二歩も優れていると言えます。

 

■「ハカ」とリカーシブ意識と潜在意識

「ハカ」は、マオリ族の戦士が戦いの前に自らの力を誇示して相手を威嚇する示威行動のために行われました。自分の命がかかっているだけに最高のパフォーマンスを引き出す必要があります。しかし、一般的な生活の場面では、必死さが求められることは多くありません。そのような状況のなかでは、やる気のスイッチがなかなか入りません。やる気のスイッチを入れるには、リカーシブ意識になる必要があります。

リカーシブ意識とは、切羽詰まって行動をせざるを得ない状態だと認識することです。目の前の状況に対して自分から行動を起こさないと、最悪は命に関わると現在の状況を他人ごとではなく自分のこととして意識するのがリカーシブ意識です。リカーシブ意識の状態に持っていけると、やる気のスイッチを「オン」にできます。

人は悔しい思いをするとリカーシブな意識の状態に簡単になれますが、夢や願望を実現させるための努力が足りないときや、やる気が起きないときにリカーシブな意識になれるとやる気のスイッチを「オン」にできます。夢や願望を強く潜在意識に持って、行動やめい想などで自分なりの「ハカ」ができるようにすることで、リカーシブな意識に簡単になれるようにすると夢や願望の実現に近づけるようになります。