vol.98ゴルフ全英オープン優勝の渋野日向子選手の笑顔と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

2019/09/05

20歳の若い渋野日向子選手が、2019年8月に行われたゴルフのメジャー大会の1つ全英女子オープンで日本人として42年ぶり2人目となる初優勝を初出場で成し遂げました。その衝撃もすごかったですが、それ以上に海外メディアからスマイルシンデレラと呼ばれたプレー中の笑顔が多くの人に強い印象を与えました。

多くの先人も経験で笑顔・笑いの効果を認めているのでしょう。笑顔や笑いに関する多くのことわざが残っています。

・笑う門には福来る(笑いのあるところには幸福が自然にやってくる)
・笑いは人の薬(笑いは薬と同じように役立つものである)
・笑う顔に矢立たず(笑顔には相手の悪意も消し去る力がある)

そこで、笑顔や笑いが精神的・肉体的にどのような良い効果を与えるのか、そしていつも笑顔や笑いを絶やさないようにするには潜在意識を活用すればよいことについて紹介します。

 

■笑顔・笑いの効用

政治・経済の低迷が長く続き、社会で起きていることについては主に悲惨なニュースが多く取り上げられることから、社会全体に明るさや活気が失われています。そのような状況のなか、多くの人が渋野日向子選手の笑顔を見て、元気をもらったり、明るい気持ちになったり、前向きなパワーを感じとったのではないでしょうか。それも当然で、笑顔や笑いには以下に述べるように多くの効用があり、その効果は実験などでも証明されています。

 

効果1 ストレス解消・免疫力アップ

笑顔になると脳内に幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが多く分泌されストレスが解消されます。また、笑うことで、ウイルスや細菌などから体を守る免疫細胞のNK細胞が活性化します。なお、ストレスは免疫力を低下させることから免疫力アップにはストレス発散が必要です。

 

効果2 血行促進・自律神経の安定化・脳の働きの活性化

思いっきり笑うと自然に腹式呼吸や深呼吸と同じ状態になって、体内に酸素を多く取り込み血行がよくなり新陳代謝も活発になります。また、自律神経には体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良になります。
通常、起きている間は交感神経が優位な状態ですが、笑うと副交感神経が優位になって自律神経のバランスがよくなり体調もよくなります。
さらに、笑うことによる血流アップで、意思や理性をつかさどる大脳新皮質が活性化。これによりアルファ波が増え、脳はリラックス状態になって記憶力アップや隠れている潜在意識のパワーを引き出せて新しい能力を開花させられる可能性が高まります。

 

効果3 幸福感の向上・痛みを抑える鎮静作用

笑うと幸福感をもたらす脳内ホルモンのエンドルフィンも分泌され、幸せな気分になれます。また、このホルモンはランナーズハイをもたらすと考えられており、モルヒネの数倍の痛みを軽減する鎮静作用効果が得られます。

 

効果4 円滑な人間関係の構築

笑顔を見て不快になる人はおらず、常に笑顔でいることで人間関係がよくなります。おの結果と、物事がよい方向に進みやすくなります。なお、アメリカの大学の研究によると「笑顔」には、能力がある人に見られやすいという効果があると報告されています。

 

■笑顔の効用を生かすための注意点と潜在意識の活用

笑顔でいることや笑うことに多くの効果があっても、そのような気分になれないときがあります。このようなときでも、無理に笑顔を作ったり、笑ったりすると効果があると盛んに言われたことがあります。これは本当でしょうか? 実は、無理に笑顔になることは、その効果が得られないだけでなく、逆に悪い影響があるので注意が必要です。

アメリカの社会学者A.R.ホックシールドは、近年注目されている「感情労働」という概念を提唱し、自分の意思に反した行動を無理にすると、心に大きなストレスを感じて、イライラした感情を自制できずに爆発させたり、ギャンブルなどに逃げ込んだり、虚無感に襲われて燃えつき症候群になったり、うつ状態に陥ると警告しています。無理にではなく軽く笑顔を作ったり、笑ったりすることでは大きな問題は生じませんが、過度に自分に重圧をかけてまで笑顔を作ることは避けなければなりません。

しかし、一方全英女子オープンで優勝を争うような極めて緊張を強いられるような場面で、自然に笑顔になれると緊張も感じず、渋野選手のように潜在能力を100%発揮できます。渋野選手が無理をして意図的に笑顔を作っていたのだとしたら、良い結果が出なかったのではと思われます。しかし、渋野選手の笑顔は、意図した笑顔ではなく自然の笑顔であったから緊張する場面でも自分の能力が100%を発揮できたのです。

その裏には、渋野選手の母親の常に笑顔でいなさいという教えがありました。それを忠実に守るために渋野選手は、潜在意識にその教えを刻み込んだ結果、テレビで見られたあのような心からゴルフを楽しんでいる自然な笑顔になれたのです。
一般的に普通の親は、子どもに笑顔でいなさいとはあまり言わないものですが、渋野選手は母親のこの教えを潜在意識にまで届けていたから、日本だけでなく世界中の人の心を魅了するとともに日本人で42年ぶりのメジャー優勝者になれたのです。