vol.78芸能人と違法薬物と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2019/04/09 2019/06/25
ミュージシャン、俳優、声優などマルチに活躍するピエール瀧がコカインを使用した容疑で2019年3月に逮捕されました。広く多方面で活躍していたことからファンも多く、また重要な役で出演する映画、テレビなども多いことから業界関係者に衝撃が走りました。
しかし、地位も名誉も失い、また多額の賠償金を負うことになることが、おそらく頭で分かっていながら違法薬物に手を染める芸能人が後を絶たないのはなぜでしょうか。
そこには、違法薬物を使用することで得られる何らかの魅力が、失う大きな代償を上回るからでしょう。合法化されているタバコやパチンコ・競馬などのギャンブルでも、健康に悪いことが明らかなタバコであるにもかかわらず、あるいは仕組み的に決してもうからないギャンブルであるにもかかわらずやめられない人たちと、罪の重さや依存度の大きさの程度に差はありますが似ています。
なぜ、人間は客観的に考えれば明らかに社会的にも経済的にもマイナスなものの誘惑に負けるのでしょうか? 単に人間の弱さでは片付けられないものが考えられます。
特に、違法薬物は、いったん始めるとなかなか抜け出せず、法律に違反し、それだけでなく体と人生を破滅に追い込むことから手を染めることがないようにしなければなりません。
違法薬物と潜在意識について理解すると、違法薬物の誘惑に打ち勝ち、また手を染めることも避けられます。違法薬物がもたらす誘惑と潜在意識について理解を深めましょう。
■芸能人が薬物に依存する心理と脳内物質の関係
以前、光GENJIのメンバーの1人である赤阪晃が覚せい剤使用で2回目の逮捕をされた後にインタビューに対して「光GENJIの人気絶頂時にファンから熱狂を持って迎えられていたときの感覚、快感が覚せい剤を使用したときに得られる高揚感、多幸感にそっくり」と発言したことがあります。
恐らくこれが有名人に共通した使用動機と使用目的の可能性があります。人気絶頂時には、脳内麻薬のβエンドルフィンやドーパミンが違法薬物に依存しなくて分泌されて快感に浸れます。
しかし、人気が落ちたり、人から注目されなくなったりすると脳内麻薬が出なくなることから、違法薬物で得られる快感で、昔と同じ快感を人工的に再現したくなって手を出すと考えられます。
快感は忘れたくても忘れないほど強く潜在意識に記憶されることから、同じ快感をまた味わいたいという気持ちを抑え切れないのでしょう。
一世を風靡した人ほど、ピークアウトしたときに訪れる喪失感や寂しさは一般人には想像できないほど大きなものに違いありません。よくよく考えてみれば、禁止薬物で検挙された芸能人やスポーツの有名選手などは、最盛期よりも、やや陰りが見えた人であり、第一線を走り続けている人は多くありません。
私たちは、一般的に快感・快楽と聞くと「いけないこと」「避けなければならないこと」というイメージが強くあります。しかし、私たちの脳は自ら快感・快楽を感じられる麻薬と同じような働きをする物質を分泌しています。これらの物質は、以下のような状況になったときにたくさん分泌されます。
・気持ちが高揚したとき
・かわいい赤ちゃんやペットと接したとき
・おいしいものを食べたとき
・好きな人と一緒にいるとき
・感動したときや感謝されたとき
・目標を達成したとき
・好きなことに集中しているとき など
脳内麻薬とよばれる脳内物質がたくさん分泌されているときは、言い換えれば同じような作用がある違法薬物を摂取したときに近い状況です。ファンの歓声を浴び続けられているときは脳内物質にあふれて、快感・快楽に浸されていますが、それがなくなると歓声が大きければ大きかったほど、その落差で違法薬物に頼って同じような状態になりたくなると考えられます。
■薬物に手を染めないための対策
有名人の場合、ピークアウトしたときに訪れる喪失感や寂しさから違法薬物に手を染める可能性が高くなると説明しましたが、再び手を染めなかった有名人もいます。
例えば、イギリスのミュージシャンでギターの名手であるエリック・クラプトンは、ひどい違法薬物とアルコール中毒から抜け出し、復活の光が見えた矢先に息子を不慮の事故で亡くしてしまいます。
そのことから、また違法薬物に逃避するのではないかと、多くのファンや関係者が心配したことも取り越し苦労に終わりました。
エリック・クラプトンは、創作活動に熱中することで、違法薬物に頼ることなく息子を亡くした寂しさにも打ち勝ち、全米シングルチャートで2位を記録する世紀の名曲「Tears in heaven」を生み出しました。以後、ドラッグに走ったいう話を聞ききません。また、70歳の半ばに差し掛かった今も精力的にライブ公演をしています。
このエリック・クラプトンが、再び違法薬物に手を染めなかったことに違法薬物に依存することや誘惑から身を守るヒントがみえてきます。違法薬物に似た働きのある脳内物質は、前述したとおりの状況になることで脳からたくさん分泌され、快感・快楽・高揚感・幸福感などを強く感じるようになります。特に、「好きなことに集中しているとき」は、快感・快楽が長く持続するだけに効果的です。
以前に感じた快感・快楽は潜在意識に強く残っているため消し去ることはかなり困難ですが、脳内物質による快感・快楽を長く続けることで弱められます。
違法薬物に興味を持たないことが重要ですが、違法薬物に頼りたくなったら、同じ気分になれることを知って、何をどうすれば自分が、快感・快楽な状態に最もなれるかを確認して、それを実行すれば誘惑に打ち勝てます。
また、違法薬物だけでなく気持ちが落ち込んだときなどでも同じようにして、気持ちの切り替えをして、前を向いて生きていけるようになれます。潜在意識にこのときの快感・快楽を強く、たくさん植え付けることで、潜在意識を活用したポジティブな人生を歩めます。
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