vol.66 西郷隆盛の魅力と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2019/02/06
■西郷隆盛の魅力と潜在意識
幕末から明治維新にかけての激動の時期、歴史的に有名な数多くの人物が日本の将来のために活躍をしました。そのなかでも最も明示維新に功績のあった3人は「維新の三傑」と呼ばれています。
その3人とは西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允です。特に西郷隆盛がいなかったら、日本の近代化は遅れ、明治政府はできなかったかもしれないといわれるほど重要な役割を果たした人物です。
今回は、今年のNHKの大河ドラマ「西郷どん」が2018年12月16日に最終回を迎えたこともあり、主人公の西郷隆盛について日本人に最もよく知られ、親しみをもって「西郷(せご)どん」と呼ばれる理由や、人を引きつける魅力はどこから生まれているのか、その人物像と潜在意識の関係について考えてみたいと思います。
■西郷隆盛の生涯の簡単な紹介
この時代に活躍した人物の多くがそうであったように西郷隆盛も薩摩藩の下級武士の家に生まれます。当時の薩摩藩の藩主であった島津斉彬に才能を見込まれ、側近として斉彬とともに江戸に行き、激動の時期に日本の舵取りの役割を果たしていきます。
その間、斉彬の死後の藩主島津久光と折り合いが悪く島流しにあったり、自殺を図ったりと波乱万丈な時代を過ごします。
しかし、時代が西郷隆盛の才能を必要としたのか、日本の新しい土台作りのために奔走。長州藩の木戸孝允と薩長同盟を結び、江戸幕府の幕臣勝海舟と会い、江戸城の無血開城を実現させ江戸の町が火の海になることを防ぎます。その後、大久保利通との征韓論で意見の食い違いから薩摩に戻ります。
やがて新政府に対する不満分子らとともに新政府軍と西南戦争を起こすはめになり、最後は自刃して49歳の若さで亡くなります。
歴史に「もしも」はありませんが、もしあるとすれば西郷隆盛と勝海舟のいずれかがいなければ、恐らく江戸城の無血開城は実現しなかったのではといわれています。
もし、そうであれば日本は外国の植民地となって日本国民は苦難の道を歩まねばならなかったかもしれません。勝海舟は、江戸で幕府軍と新政府軍との全面戦争になれば、日本を植民地にしたい外国の思うつぼになると考え、西郷隆盛に戦争をしている場合ではないと告げます。2人の後ろには徹底的に戦うという強い意志を持った武士たちがいるなか、そして西郷隆盛自身もいろいろな思惑で戦争をして徳川慶喜の処刑をしたいと考えてたようです。
加えて、すでに新政府軍は3月15日に江戸城総攻撃を決定していました。2人の会談がセットされたのは、総攻撃の前日の14日です。戦う意欲のある者同士が、拳をすでに振り上げている状態では、指揮官といえども簡単に相手の言うことを聞き入れる度量を発揮できるものではなかったと思われます。しかし、西郷隆盛は勝海舟の意見を受け入れます。
勝海舟もまた幕臣でありながら、幕府の延命というモノサシではなく日本国という大局からの判断ができる人物でした。通常、このような場合、敵の総大将は処刑されるのが常でしたが、徳川慶喜は処刑を免れました。
■西郷隆盛の魅力と潜在意識
幕末から明治維新の時代の人物で日本人に最も魅力があると思われているのは西郷隆盛と坂本龍馬の2人ではないかと思います。その坂本龍馬は、西郷隆盛を「得体の知れない人物です。
不気味な太鼓(あるいは鐘)のようであって、小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く」と評しています。また、江戸城無血開城のもう1人の立役者の勝海舟は「知識はおれの方が詳しい。しかし、その胆の大きいことは、実に絶倫で議論も何もこえるような大きさをもっていた」と評しています。
このことから、スケールが大きくて計り知れない懐の深さがあることが多くの人を引きつけるのでしょう。
また、一般的に西郷隆盛と称される自画像や上野の銅像などが温かみのある印象を与えるからかもしれません。
また、西郷隆盛の座右の銘「敬天愛人」という言葉に表される強い信念をもっていました。その意味は、「物事の道理は、天によって決まっており、天に恥じることをしてはいけない。自分を愛するがごとく人も愛し分け隔てなく誠意をもって接する」ことです。これは無私でなければできません。私利私欲に走らない人は信頼され、慕われます。
なお、西郷隆盛は、図らずも新政府軍と戦いに敗れたことから、新政府にとっては逆賊です。しかし明治天皇は、自決の知らせを受けると涙を流したといわれています。さらに1889年には、西郷隆盛を西南戦争以前の官位に復位させて逆賊という汚名を拭っています。このように思われていたことは、才能とともに人柄が人を魅了したからと思われます。
西郷隆盛の魅力である強い信念・無私は、親しまれ慕われる魅力を生み出します。それは顕在意識ではなく潜在意識であれば自然に信念・無私が生まれてくるからです。西郷隆盛には「断じて行えば鬼神もこれを避ける」という名言があります。この言葉を言えるほど、強い信念をもっていました。
努力や強い意志をもつことは顕在意識で可能ですが、信念は潜在意識から生まれないと本物ではありません。また、潜在意識から生まれる行動は、無私であって打算を考えていないため人を魅了し、引きつけます。
潜在意識を活用できれば、人を動かせて、目標の達成もおのずとできるようになるでしょう。これだけ努力をしたのにと嘆いているレベルでは信念が足りず、潜在意識の活用が十分ではないからです。潜在意識の活用で、西郷隆盛のような魅力あふれる人物にも近づけます。
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