vol.57 AI(人工知能)が職業に与える脅威と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】
2018/10/22 2018/11/12
2014年オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授他によって発表された論文「雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか」は、アメリカで702の職業のうち47%が10年~20年後には機械(AI+ロボット)に取って代わられて消滅するという衝撃的な内容であったため大きな話題になりました。
日本でも野村総合研究所がオズボーン准教授と国内の職業を対象に同様の調査をした結果、こちらは職業数ではなく従事している労働人口の49%が、10年~20年後には機械に代わられるというアメリカとほぼ似た結論が出ています。
これより先、AI機能をもったロボットが人間と敵対するようなテーマで映画や小説で描かれました。映画では「2001年宇宙の旅(1968年)」「ターミネーター(1984年)」など多くの作品があります。また、小説では「未来の二つの顔(日本語初版1983年)」「われはロボット(日本語初版1983年)」などこちらもたくさんあります。
さらに、最近は映画や小説だけのなかではなく、AI機能搭載人型ロボット「Pepper(ペッパー)」が2014年にソフトバンクから発売され、実際に店舗などで稼働しています。
また、1999年に発売された世界初の犬型ロボット「AIBO」は、いったん生産中止されましたが、2018年1月に「aibo」となって再発売されました。ちなみに「AIBO・aibo」のAI・aiは人工知能のAIから名付けられています。
空想の世界だけでなく人型や動物型のロボットや、その他にも形状は機械そのものですが、さまざまな機械が人間の代わりに工場でモノを作ったり、店舗で手続きをしたり、自動車が自動運転をしたり、気象情報から台風の進路を予測したり、多数の人間を瞬時に識別したりと、人間ではできないことをしている状態を目にすることが多くなっています。
これらの機械やロボットがますます高度な知能(AI)を備えて、人間の動きに近い動作ができるようになると確かに多くの仕事が人間からロボットに置き換わることはうなずけます。AIやロボット技術は確実にまだまだ進化し、今は人間しかできないことも進化したAIを備えたロボット(機械)ができるようになります。いたずらに危惧を抱く必要はありませんが、論文で発表された内容は現実化していくこと間違いありません。
そこで今回は、AIやロボットの技術がいかに進化した時代でも人間としての存在感(職業を含む)を保つには潜在意識が重要なキーになることについて解説します。
■AIに限界はない?
映画や小説の世界では、ロボットのAIが人間の感情(意識)を認識し、学習を繰り返し、人間と同じような感情(意識)を持つようになり、そして最初は人間の命令に従順であったロボットが最終的に自らの感情(意識)で動き、人間の命令に反して暴走・敵対するようなストーリーで描かれます。このストーリーは現実化するように思えます。
事実、研究者を含む一部の人は、AIは限りなく進歩し、人間の能力を上回って人間に代わる能力を持つという時期(シンギュラリティまたは技術的特異点という)が来ると信じています。
確かに、多数のデータを記憶・解析などして、そこから特徴を見つけ、また学習を重ねることで特徴を見つける精度を高めていくなど人間ではできないことができる点では、AIは人間をはるかに上回っています。そして、学習能力がさらに上がっていくと、人間のしていること以上のことも可能になるのではと勘違いをされています。
しかし、AIが自らの学習し人間の知能をこえ、神のようになったり、AIが人類に反旗をあげて滅ぼしたりするというような考えは、すべて誤りと国立情報学研究所 社会共有知研究センターの新井紀子センター長・教授は断言しています。
なぜなら、「AIはコンピューターソフトであり、コンピューターは論理、確率、統計しか扱えず、一方、人間の知能や意識は、論理、確率、統計では表せないから」と理由を述べています。人間が100人いたとして、その100人の知能や意識・感情は一律の論理だけで論じられません。また、人間は確率や統計を参考にしますが、無視することもたくさんあります。
なお、人間が、「人間の特徴を持ったモノを攻撃せよ」と仮にAIにプログラムしたら人間を攻撃するかもしれませんが、これはAIが人間の知能を持ったことにならないのは言うまでもありません。AIは限りなく人間に近い考えで動作するように進化していきますが、人間の意識・命令をこえて自律的な動作をするには至りません。
■進化を続けるAI時代に必要な潜在意識
単純な職務や定型化された職務、多数のデータの関連性を見つける職務などは、AIに置き換わっていくのは確実です。しかし、無から有を生み出すクリエイティブな職務、コミュニケーションが必要な職務、人との触れ合いが必要な職務などは置き換わりません。
これらの職務は、確固たる意識・信念に基づく創造性が必要な職務や、論理的ではない人間相手に複雑なコミュニケーションが必要な職務で、すべてAIでは実現が困難な意識・感情が重要な職務です。職務の一部はAIに置き換わりますが、重要な部分は決して置き換わりません。
AIが進化した時代も生き抜くには、常日頃から、何をしたいか、何を創り出したいかを自分や他人を意識すること、またどのような目標で生きていくか、それを実現するには何が必要かなどを自分自身の感情や他人の感情を意識することがより強く必要になるでしょう。
自分自身に対する意識を、潜在意識にまで達するほど強く意識すると自分だけのオリジナリティも生まれやすくなります。また、確固たる意識・信念に基づいたポリシーを持って柔軟な対応ができるコミュニケーション能力は、AIがいくら進化してもマネができない領域です。AIが進化した時代には、自分の確固たる意識(顕在意識と潜在意識)を持つことが重要で、その上にオリジナリティを築きあげていくことが求められます。
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