vol.43 『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

2018/08/01

著者の山口真由さんは、東大法学部に入学し在学中に弁護士資格を取得、東大を首席で卒業後に財務省に入省。

その後財務省を退官して現在は弁護士業の傍らテレビのコメンテーターとしても活躍する女性です。

その彼女が東大、弁護士、国家公務員I種の各難関試験などの勉強に活用した勉強法が書かれているのが今回紹介する書籍『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』です。

その勉強法は脳科学的にも合理的で、もともと頭のよい人だからできたという方法ではなく、誰でも実践すれば効果が得られます。

学生や会社員を問わず活用できる「7回読み勉強法」について簡単に紹介して、その勉強法が脳科学的に合理的であること、および潜在意識を活用することでより効果的にこの勉強法を生かせることについて解説します。

■7回読み勉強法のメリットとは

「7回読み勉強法」を著者は知識を深めるときに効果的な方法で3つの特徴(メリット)があるとしています。

特徴1 読むことに対する負荷が小さい

著者が提唱する7回読みは、1回1回が流し読みのため集中して読んで、書いてあることを理解しなければならないという意識を強く持つ必要がありません。

そのため、学習意欲があるけれど、なかなか実行に移せない、あるいは書籍を読み始めてみたものの継続ができないという多くの人が経験する問題を回避できます。「継続は力なり」という格言のとおり、継続できることがまず必要です。

なお、学習意欲があるのに取り掛かれないときは、朝起きれば無意識に顔を洗って歯を磨くように習慣化できると取り掛かれます。

習慣化をするには、書籍を読むことは楽しいとまず思い、書籍を読むことで実現できる夢や願望を潜在意識に強く持つことで書籍を読むことが苦にならず無意識に取り掛かれるようになるでしょう。

特徴2 情報をインプットするスピードが速い

著者は同じ文章を、「読む、書く、話す、聞く」で速度を比べたら、最も速いのは「読む」だから、情報もたくさんインプットできると述べています。

しかし、人によっては聞く方が速いという人もいる可能性があります。また、情報を脳にインプットする点でも、インプットした情報がすぐに右から左へ抜けてしまうようではインプットされたとはいえません。

少なくとも書かれていることが完全に理解できなくても、どのようなことについて書かれているのかということが認識(認知)できる必要があります。

効果的な認知としては、黙読よりは声に出して読む(=話す)ほうが一般的には記憶に残りやすいといわれています。

また、声にメリハリや高低が付いた抑揚のある話し方で聞けば、黙読や音読よりもさらに情報を効果的にインプット(記憶)できます。

スピードとインプットのバランスをどう考えるかで、個人の能力や集中力で変わってくるので自分にあった方法を選択すべきかと思われます。

ただし、著者は7回読み勉強法では、わからないところまで理解することなく読みすすめると述べており、記憶しなければならないという意識を強く持つ必要はありません。

次に読んだときに覚えている程度に記憶できていれば問題ありません。あまり理解を意識すると読むことに対して心理的に大きな負荷がかかります。

特徴3 いつでも、どこでもできる

この勉強法では流し読み程度でよいため集中力が不要で、時と場所を選ばずに勉強できます。通勤・通学やその他の隙間時間を活用できます。

■7回読み勉強法が効果的な理由

7回読みの具体的な読み方や、数学や英語の英文法の勉強などなどでは7回読みをアレンジする必要がありますが、それらについては書籍を読んでいただきたいと思います。

ここでは、流し読みを7回することが勉強に効果的だという著者の理由をまず紹介します。

次に、それが脳科学的にも効果的な理由と、この方法を無意識(潜在意識)にできるようにすることでこの勉強法がより確実に効果的になることについて説明します。

著者は新しい知識や情報に触れるとき、「知らないことは理解できない」と例文をあげて説明しています。

少し書籍のなかの例文を変形して解説します。例えば、「花子の機嫌をよくしようと考えた太郎は花子に花を贈った」という文章があったとき、私たちは太郎が男性で花子は女性であること、および女性は一般的に花を贈られると喜ぶという知識を持っているので文章の内容が理解できると述べています。

しかし、この知識がないとなぜ花子の機嫌をよくするために太郎は花を贈ることにしたのかがまったく理解できないはずです。

つまり、文章を理解するには前段階としてまず何らかの予備知識が必要です。

言い換えると理解の前に認知というプロセスが必要で、「認知」と「理解」とは、似て非なるものだといいます。

たとえば、ある文章を見て「こんな言葉が書いてある」と視覚的に感じ取るのが「認知」。

それに対して、視覚的なイメージから意味を読み取り、メッセージを把握するのが「理解」です。

この認知は、知らない人に出会ったとき、何度も会うことでその人の情報が頭にインプットされて理解できていくのと同様に何回も書籍を読むことで、理解につながると著者はいいます。

■7回読み勉強法と脳科学と潜在意識

脳は、学習する内容の細部をバラバラに認識・記憶することは苦手です。脳が新しい情報を認識し記憶するとき、その情報に関する全体と個別の情報を関連付けられると認識・記憶がよくできます。

このことは、芋づる式に関連した情報・記憶を思い出せることと同じで認識も同じように関連した情報や全体のなかの位置づけがわかることで認識をより簡単に深められます。

そのため書籍の全体像を大きく把握したあとで、個別をより認識していく7回読み勉強法は脳科学的に合理的な方法です。

7回読み勉強法のイメージを強く持って潜在意識のもと無意識に行えるようになると、「気軽に勉強に取り掛かれる」⇒「脳がリラックスする」⇒「効率的に認識・記憶できる」⇒「勉強の効果が現れる」⇒「勉強が面白い」と好循環が生まれやすくなります。

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