vol.91 NBAからドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

プロバスケットボールNBAから、ついに日本人が史上初めてドラフトで1巡目での指名を受けました。その快挙にニュースやワイドショーで広く報道されたので知らない人はいないと思われますが、八村塁選手です。まさに、NBAへの夢と自分の能力を強く信じることで快挙を成し遂げました。

 

八村選手はドラフトで9番目に指名されましたが、このことがどれほどすごいことなのかというと日本で人気のアメリカ大リーグMLBと比較すると格段に狭き門であることが分かります。まず、NBAでドラフト指名されるのは全体で60名です。MLBは約1,200名です。これは1チームあたりの所属人数や球団が指名して選手を育成するシステムの違いがあるので単純な比較は困難ですが、ドラフトで指名される人数だけで比較すると非常に狭き門です。

ドラフトで1巡目に指名される人数は、NBA、MLBともに球団数が30なので同じ30人です。しかし、同じ30人でも競技人口が大きく違います。バスケットボールの競技人口は世界で4.5億人でサッカーを上回り1位と言われています。しかし、野球は意外に少なく0.35億人です。数字には女性が含まれているので、男性の競技人口を約半分としても野球の6倍から7倍は多い人数です。それだけのなかから上位10番以内に指名されることは、多くの選手がNBAを目指すだけに競争率が高く、いかにすごいことかがわかります。

 

単なる夢だけではとても実現できないNBAの1巡目指名ですが、八村選手が、この快挙を「誰に感謝したいですか?」と聞かれて答えたのが「中学時代のコーチが、最初に『おまえはNBAに行ける』と言ってくれて、それをずっと信じてやってきたので」と回答しています。
「夢を抱いて持ち続けること」「自分を信じること」この2つを強く、長く持つことで、それが潜在意識まで到達した結果、日本人として初の偉業になったと考えられます。八村選手の少年時代のこと、バスケットボールやコーチとの出会い、そして「夢を持ち、自分を信じることを潜在意識にまで到達させることの重要性」について紹介します。

 

八村選手の少年時代とバスケットボールとの出会い

八村選手とバスケットボールの出会いは中学になってからです。それまでは空手、野球、陸上をやっており、野球ではエースで4番、投げる球が早すぎてキャッチャーが取れないのでキャッチャーをやらされていたという話が残っています。また、陸上では出身地の富山県で1位になり全国大会に出場するなどスポーツ能力の高い少年でした。しかし、バスケットには、強い興味がなく部活には、誘われて体験入部する程度であったようです。しかし、そこで八村選手が最も感謝したいと述べた中学校のバスケットボールのコーチと出会います。

 

その出会いは、偶然ではなくバスケットへの入部希望者に背が高い子がいないので、当時から、そのコーチは人一倍背の高かった八村選手に眼を付け、同じ小学校出身で入部希望者を通じて、しつこいほど八村選手に入部を促した経緯がありました。まったくバスケットの経験のなかった八村選手の中学1年時代は、ごく平凡な選手でとてもNBAへ行ける才能の片鱗はありませんでした。しかし、コーチは君ならNBAへ行けるといって、練習に励ませる環境を作ったり、NBA選手のプレーや写真を見せたりすることでNBA選手になる夢を抱かせ続けます。

 

もし、コーチが入部するようにしつこく誘わなければ、またNBAへの夢をコーチが語らなければ、今の八村選手の存在はなかった可能性が高いのです。その理由は、もともとバスケットが好きでたまらない少年ではなかったこと、中学になって初めて始めたことから基礎的な運動能力は高かったのですが、決してバスケットが上手ではなかったこと、さらにコーチの話では練習もそれほど熱心ではなかったと言われているからです。
このような理由から、もしバスケットに夢を希望も見いだせていなければ、才能を開花させるまでに別のスポーツの部活へ変わっていた可能性があります。

 

しかし、コーチはNBAへの夢を八村選手に抱かせ続けて、練習を続けさせたからでしょうか、中学2年になると才能が開花します。八村選手は、自身のことを「バカだったからコーチの言うことを信じ、自分を信じた」とインタビューで答えています。もともとバスケットが好きで、自分から積極的に抱いた夢ではないだけに、自分を信じなければつらい練習やうまいプレーができなければ、夢を追うことは途中で諦めていた可能性があります。
それが分かっているからこそ、八村選手が最も感謝したい人として、自分をバスケットボールの世界に引き込み、夢を持たせ、自分を信じさせてくれたコーチの名前をあげたのでしょう。

 

大きな夢を持つこと、強く自分を信じることの大切さ

夢・希望・目標を持つことは、たくさんのメリットがありますが、大きなメリットはポジティブになれることだと思います。夢・希望・目標も何もなければ、毎日は平凡な時間が流れるだけで大きな進歩はありません。どんなに優れた能力があっても一流選手になれません。

 

また、意志を強くもって信じることの重要性は、スタンフォード大学の心理学者ケリー・マグゴニガルによると、3つの側面、1つ目は「自分の目標に沿うことを実行しようとする意志」つまり「やるぞ」という気持ち、2つ目は、無駄なこと(誘惑や快楽)をしない意志」つまり「しないぞ」という意志、そして3つ目は、「自分が何をしたいかの目標をはっきさせる意志」つまり「こうなりたい」という意志(夢)を明確にするパワーがあると述べています。

 

いずれも夢・希望・目標を達成して成功するには必要なことです。そして、潜在意識にまでそれが到達すると、意識しなくても夢・希望・目標に向かう行動ができるようになります。まさに、八村選手の小さい頃からの経緯をみると、まったくの素人のレベルからバスケットボール選手のみんなが憧れる最高の活躍の場であるNBAにドラフトで指名されるまでに至ったのは、大きな夢を持ち、自分を強く信じることが潜在意識にまで到達していたからです。

まだ、指名されただけでは伝説の序章です。八村選手には、これが夢や目標ではないと思いますので、NBAで史上最高のプレーヤーを目指して、これから続くであろう後輩プレーヤーのためにもう一段高いレベルの伝説を作って欲しいと思います。

人生を好転させる潜在意識の活用法

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