vol.88清宮親子(克幸・幸太郎)と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

高校通算111本という歴代最多本塁打の記録を持ち2017年のドラフト会議で最も注目を集め、過去最多タイの7球団が指名し抽選の結果、プロ野球の日本ハムに入団した早稲田実業高校の清宮幸太郎選手の話題はまだ記憶に鮮明に残っています。

プロ1年目の2018年の成績は、出場試合53試合、打率.200、本塁打7本、打点18で終わりましたが、将来のプロ野球界を背負うことが期待される逸材です。

 


その父親の克幸氏は茨田高校時代からラグビーを始め、体格、運動能力、センス、気迫などすべてに優れ、1年生からレギュラーに定着、その後早稲田大学に進学、4年生のときは主将として全国大学選手権優勝するなど輝かしい活躍をします。

卒業後はサントリーに入社し、同社ラグビー部の中心選手としてチームを優勝に導くなど活躍。現役引退後は、早稲田大学、サントリー、ヤマハ発動機などでラグビー部監督を歴任、監督時代にはいずれのチームも優勝に導くなど選手としてだけでなく監督としても名将でした。
幸太郎選手は、ラグビーと野球の違いはありますが、父の優れた運動能力、身体、メンタルなどを引き継いでいます。

しかし、いくら才能のある子どもであっても、プロ野球の球団がドラフト会議で7球団も1位指名するほどの魅力のある高校球児に育てるのはなかなか困難です。そこに至るには、監督など野球関連の指導者の影響も大きいと考えられますが、小さい頃から接して影響を与えられる親の存在が技術を教えることと同等以上に大きなウェイトを占めます。

子どもの頃は、まだ目標に向かっていく考え方・メンタルができあがっていません。そこで、小学校以下の頃から高校生までを最も長く接して影響を与えられる親の影響が最も大きいことから、名選手であり名監督でもあった幸太郎選手の父親である克幸氏の教育方針と潜在意識の関係について紹介します。

 

■父親の克幸氏の教育方針

幸太郎選手は、高校卒業後の進路を大学進学か即プロ入かで悩みますが、進路をプロ野球と決めて、それを表明する記者会見の場で、王貞治氏の偉大なホームラン記録の868本を目標にすると具体的な数値をあげて発言をしました。
この発言は、高校球児として最も多いホームラン記録を持っているとは言え、まだプロ野球で実績のまったくない高校球児の発言としては比較の対象が桁違いに大きくてプロ野球関係者を驚かせます。

驚きには、「大したものだ」という好意的な反応もありましたが、生意気すぎる発言という空気も流れました。目標を明確にして、そこに向かっていく姿勢は、父親の教育方針から生まれたものと思われます。

父親の克幸氏の教育方針として、一般的な親と同様に子どもが小さい頃は水泳、陸上、テニス、ピアノ、ラグビーなどさまざまなスポーツや習い事を経験させていました。このあたりのことは、金銭的な問題さえなければ多くの親が実践できることです。

大きく異なるのは、常に自分を客観視して自分で考えるクセを付け、考えたことを自分の言葉で答えられるように教育したという点です。これは、克幸氏がラグビーをしていたことと無関係ではないと考えられます。

ラグビーで監督は、試合中はグラウンドにいなくて観客席に居なくてはいけないからです。ラグビーでは、キャプテンを中心に選手自身がすべての判断をしてプレーを行う自主性が重要なスポーツです。

克幸氏は、野球であれば「あの場面でなぜうまく打てたのか、あるいは打てなかったのか?」と聞き、本人に考えさせ、その回答が具体的で理にかなっていれば納得し、理にかなっていなければ納得しなかったと言っています。打てなかったピッチャーに対しては、次にどうすれば攻略できるかを徹底して考えるように教育しています。

一般的に小さい子どもは結果に一喜一憂するだけです。より高い次元に行くには、うまくできたこと、できなかったことを、自分を冷静に客観視して自分なりに納得するまで考えることで漫然とプレーするよりは大きく飛躍できます。
自分の欠点が分かれば練習で弱点も補え、長所はより大きく伸ばせます。小さい頃からこのように指導されたことは、子どもの幸太郎選手の潜在意識に刷り込まれたと考えられます。

 

■王選手を目標にした幸太郎選手と潜在意識

王選手の不滅の記録とも言えるホームラン数を目指すという目標も、幸太郎選手にとっては父親の克幸氏に教育された自分で考える教育の結果と考えられます。周囲には大言壮語な印象を与えますが、なぜホームランを打てないかを自問自答し、努力していくための目標としては王選手の記録が最も幸太郎選手のなかで自然であったと考えられます。

そして、幸太郎選手は、テレビの取材に対して「夢は小さく言ったら小さくなる」と答えています。父親の克幸氏からもラグビー以外なら超一流になれと言われたことも関係しているのでしょうが、幸太郎選手には自然に潜在意識の持つパワーを生かしています。

しかも単に夢として描くだけではなく、自分を客観的に見つめて、どうすれば記録に近づけて、記録をこえられるかを考えることは、父親から潜在意識に植え付けられているため、自分に足りない部分を克服でききる能力を備えています。2年目の2019年のシーズンも始まり、偉大な記録への挑戦が続きます。まだまだ記録をこえるには大きな壁がありそうですが、夢に向かっている幸太郎選手を温かく見守っていきたいものです。

 

人生を好転させる潜在意識の活用法

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