vol.81 各界のリーダー達が絶賛する話題の書籍「Factfulness」と潜在意識【人生を好転させる潜在意識の活用法】

 

今、話題になっている書籍の1つに「Factfulness(ファクトフルネス)」があります。この書籍では、世界で起きているさまざまなことに対する認識・常識が、人間の本能や過去の経験からくるバイアスや古い情報のままで新しい情報にアップデートできていないことなどから事実を誤認していることが分かりやすく書かれています。
この事実誤認を放置すると間違った政策や対策がとられ、状況が改善されない可能性が生じます。そこで、「事実に基づいて世界の真実を知ろう」と呼びかけ、どうすれば正しく認識できるようになるかが分かりやすく解説されています。

書籍の導入部には常識として分かっている13個の簡単に答えられる3択の設問が置かれています。その設問に対する人間の平均正答率は、チンパンジーが無作為に選んで回答したときの正答率よりも低かったことが書かれています。
正答率がチンパンジーよりも低かったことから、いかに人間は間違った常識・認識にとらわれているかが興味深く示されて、本文を読みたいと思わせるように考えて記述されています。

本文では、なぜ私たちが間違った見方しかできないのかについて解説されていますが、その根拠は、すべての人にとって納得のいく内容です。書籍の内容に同意・共感ができたからなのでしょう。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ元会長やオバマ元アメリカ大統領などの著名人が、この書籍を絶賛しています。ビル・ゲイツにいたっては、同書について「自分がこれまでに読んだなかで最も重要な1冊」だと述べ、アメリカの大学の卒業生に無償で贈与しています。

同書は、事実誤認による先入観で世界の社会的な問題を見ることの危険性を訴えています。確かに、世界の動向や国の経済・社会に影響を与える政治家、企業の経営者、真実をありのままに伝えなければならないジャーナリストなどは、同書の警告には耳を大いに傾けなければなりません。
事実を誤認して行われる政治、経営、報道は人類を不幸にします。しかし、同じようなリスクは、私たちが生活する身の回りでも起こります。身近な友人・知人・隣人関係など事実に基づかずに誤認する可能性があります。
そして、それだけでなく潜在意識に潜む先入観による判断は、気が付かないうちに自分自身をも事実誤認させている可能性があります。そこで、書籍の内容を簡単に紹介し、世界や日本、そして身近な問題に至るまで正しく判断できるようになるにはどうすればよいかについて、潜在意識の重要性とともに紹介します。

 

■「Factfulness」の概要

「Factfulness」には、事実を誤認する原因は、10個に分けられた人間の本能だと説明され、どうすれば事実誤認を防げるかについて書かれています。10個の本能(思い込み・先入観)とは、「分断本能」「ネガティブ本能」「直線本能」「恐怖本能」「過大視本能」「パターン化本能」「宿命本能」「単純化本能」「犯人捜し本能」、および「焦り本能」の10個です。

これらの本能は、人類の長い歴史のなかで、日々の生活を安全に暮らし、生き延びることが最優先であったために身に付いたものです。
例えば、厳しい自然環境や猛獣などから身を守るにはネガティブな発想が必要であったことは容易に想像が付きます。これらの本能は、なかなか簡単に変えられるものではありません。しかし、これらはモノの見方に対して非常に大きなバイアスをもたらし、真実を見る目を曇らせます。
世の中を正しく見るだけではなく、自己と正しく向かいあう意味でも、10個の本能(思い込み・先入観)について理解が必要です。なぜなら、無意識から生じる認知のバイアスは気付くのが難しいためなかなか修正できないからです。同書は、非常に分かりやすく一気に読めるので一読をおすすめします。多くの気付きを得られます。

 

■潜在意識に潜む本能(思い込み・先入観)の危険性

自分勝手な思い込みでトラブルを大きくしたり、間違った先入観で人を誤って評価したりした経験が多くの人にあります。本能からくる先入観は、人間の知恵から生まれているのでデメリットだけでなくメリットになることもありますが、対象を正しく評価・判断するためには先入観を捨て去ることが重要です。
なお、本能に基づく先入観は、比較的バイアスがゆるく、例えば民族や世代など限定すれば多くの人に共通するモノの見方です。

しかし、先入観と個人の経験が重なって生まれる「思い込み・決めつけ・固定観念」は、個人差が大きくバイアスの度合いも強くなります。前者は、気付きにくく修正するのは一般的に困難ですが、後者は、間違いに気付ければ比較的修正は簡単です。ただし、潜在意識に刷り込まれていると修正は困難です。
先入観は、自分自身に対しても失敗を繰り返すとダメ人間と思い込むと何事にもネガティブな考え方しかできなくなります。

同書では、それぞれの10個の本能についてバイアスを取り除く対策が述べられていますが、同様に自分自身にマイナスの先入観があれば、取り除かないと人生は好転しません。
しかし、潜在意識はポジティブに書き換えることができます。書き換えられれば潜在意識は必ずすべてをポジティブに捉えられるように応えてくれます。潜在意識が変われば行動・性格は自然に変わります。

人生を好転させる潜在意識の活用法

よく読まれている記事