平成を代表する歌手の安室奈美恵さんが、くしくも平成最後の年に40歳という若さで引退をしました。年齢や影響力を考えると誰もが早すぎる引退と考えていますが、このような決断・生き方も安室さんの大きな魅力の1つです。
美空ひばり、山口百恵、松田聖子さんなど時代を代表する女性歌手はいましたが、とりわけ安室奈美恵さんは、音楽と歌手としての生き方で実に大きな影響を女性に与えました。一般的に芸能人はマスコミと持ちつ持たれつの関係で互いに利用しあう関係を維持しています。
しかし、安室奈美恵さんはメディアへの露出を最小限にし、ライブ中心の活動を行っていました。これは、できるだけ多くの人に好きになってもらうことよりも、素の安室奈美恵を本当に愛してくれるファンだけに見に来てほしいという考えからではないかといわれています。
古くから女性は、男性に比べると夫や子どもなどの家庭や社会通念から自己主張を強くできず自己犠牲を強いられてきました。しかし、安室奈美恵さんは、多くの芸能人が、時代や世間に合わせた活動をするなか、その生き方はマスコミや時代に自身を合わせることなく、やりたいことを追求し軸がぶれていません。
その姿勢、考え方が音楽を通して多くの女性に強い影響を与えました。そこで、安室奈美恵さんという歌手を通じて、音楽がいかに強い影響を自分自身や人に与えるかについて潜在意識の面から考えてみたいと思います。
■音楽が持つさまざまな効果
音楽が人間の感情・意識に強い影響を与えることは、多くの人が実感しています。例えば、音楽には、いらいらしてとげとげしい感情や、つらくて苦しく嫌な気持ち、落ち込んだ状態などを抑えて鎮めるリラックス効果・ストレス発散効果、潤い効果があります。
また、自己否定や現状を否定するマイナスな感情をプラスの前向きな感情に転換させてくれる効果もあります。これらの効果は、多くの人が実感しているから何となくあると考えられているのではなく大学などの研究機関による調査や研究で実証されています。
近年は、医療分野での治療や女性の出産時の痛みを緩和することなどにも取り入れられています。その他にも、音楽には記憶力、集中力、作業効率をアップさせます。
また、好きな音楽を好きな音質、好みの音量で聞くと血圧の高い人たちは血圧が低下し、血圧の低い人たちは血圧が上昇するという効果なども体感だけでなく科学的な研究として確認されています。
■音楽は強く潜在意識に関係し夢の実現にも大きな影響を与える
文化のあるところには必ず音楽があります。人間はリズムがあれば意識しなくても体が動き、メロディーや歌詞は意識して覚えなくてもいつまでも心の奥底の潜在意識に強く印象づけられて記憶に残ります。そのため、人生の節目や挫折、喜び、悲しみなどを感じたときに聴いた音楽は、その後の人の行動や意識を変える力をもっています。
このことは、多くの人が音楽に影響されて人生や考え方、生き方が変わったという経験を持っていることで分かります。その理由は、音楽が聴覚を通じて、脳の大脳辺縁系という部位に伝わって感情に直接働くから、多くの人が音楽に大きな影響を受けると考えられます。大脳辺縁系とは、大脳の奥深い場所にあって感情、意欲、記憶などに大きな役割を果たしている部分です。
音楽だけでも記憶に残りやすいうえに人体の構造上も潜在意識に強く残り、その意識によって感情に強く働き、前向きな意欲が湧いてきます。多くの音楽を聴き、感動し、その音楽を伝えてくれる歌手の生き方、考え方と自分の感情を同期させて潜在意識に音楽につながった夢を持つと夢への実現へ大きく進めるでしょう。
安室奈美恵さんのように、生き方、考え方に強い主張があると、より音楽に強い影響を受けて夢への実現や、今までの生き方を変えられる大きな原動力にできます。音楽は潜在意識に入りやすいことから、意識して音楽を活用することをおすすめします。
